ねぇ、こっち向いて (ページ8)

今日:15 hit、昨日:0 hit、合計:13,071 hit

7. ページ8

*

上がったけど、結局すぐ帰ることになった。

みっくんは玄関まで送ってくれて

私はりっくんにもらった住所の書いてある紙を渡した。

.

ツ「りっくんと同じ大学ってことだよね？」

『そうです』

ツ「じゃあ俺とも同じだー」

嬉しそうにみっくんが笑う。

また会ったら話しかけてねって。

.

少し重い手提げをみっくんは玄関まで運んでくれて

「気をつけてねー」ってニコニコしてる。

…なんかかわいい人だな笑

お邪魔しましたって頭を下げて出ていこうとした瞬間、

ドアがひとりでに開いた。

いや、向こうから開けられた。

.

？「え、誰……」

入ってきたその人は、私を見て固まった。

私も同じように固まる。

不信感丸出しのその声に、私は不法侵入者のような気分になって顔を上げられなくなる。

.

ツ「あ、おかえり〜」

？「…いや、おかえりじゃなくて。この人誰なの？」

ツ「Aちゃん。りっくんの友達」

その人は少しほっとした表情を浮かべた後、靴を脱ぎながら冷たい口調で言った。

？「りっくんの友達でも女の子は入れちゃダメじゃん。

前の俺と同じことになる可能性が全くないなんて言えないんだから」

.