ねぇ、こっち向いて (ページ23)

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この講義がそらくんとかぶってるのは知ってた。

一年全員必修科目で、適当に分けられたのに一緒になれたのは相当運がいい。

けど、ただ同じ講義ってだけで別に何も無いし、時々横顔を眺めてるだけだった。

もう完全に「推し」要員。

男友達と盛り上がってるそらくんを眺めながら、あぁ目の保養〜なんて思ってた。

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その日、突然グループワークをすると言われ、

先生が適当に作ったあみだくじでグループは分けられた。

「Ａグループ、鈴木、山本、池田…」

先生が次々グループとメンバーを発表して、

あたしの名前も呼ばれた。

この講義特にめっちゃ仲いい人もいないし、そらくんに関しては苗字も知らないし、と思ってほとんど聞いてなかったけど

集まった5人の中に、そらくんがいた時は少し驚いた。

グループで自己紹介して、あたしは初めて彼が「大木空」だということを知った。

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そ「あの…」

そらくんに話しかけられた。

すっごいドキッとしたけど、何でもないふりをしてそらくんの目を見る。

『ん？』

そ「もしかして…この前アバハウスに来たりした？リクヲの荷物取りに」

『あぁ、行ったよ。

そういえば……帰る時に会ったりした、？』

ずっと覚えてたくせに。

あわよくば話したいっておもってたくせに。

何でもないような顔をした。

そ「あーやっぱりあの子か！」

『あれ、そらくんだったんだ！』

そ「俺、あの時疲れてて超不機嫌だった気がする。ほんとごめん！」

『こっちこそ急に家入ったりしてごめんね』

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そらくんは全然気さくに喋れる人だった。

グループのプレゼンの準備中も、5人の中で私とそらくんはずっと一緒にいて、

あれ…？

なんかおかしいな、あたし…

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