ねぇ、こっち向いて (ページ22)

今日:18 hit、昨日:0 hit、合計:13,074 hit

20 ページ22

*

りっくんが「わぁ〜話してたらあっという間に10時だ〜」って伸びをすると同時に、

「送ってくよ」と、エイジくんが立ち上がった。

『え、いいよ。申し訳ないから…』

エ「女子が一人で出歩いていい時間じゃない」

『すぐそこだし…』

エ「そう言う奴のすぐそこはすぐそこじゃない」

『でも…』

エ「そういう時はありがとうって甘えろよ、可愛くねぇな」

『ひどっ…！』

エ「可愛げ無い奴は彼氏できないぞ〜」

そう言いながらもうエイジくんは車の鍵を手に廊下に出てしまった。

『もうっ…ありがとう！！』

不器用な優しさなのかな、

りっくん以外に呼ばれて男の子の家に来たのも

こんなに遅くまで滞在したのも

送ってく、なんて言ってもらったのも

全部初めてだから、なんか幸せな気分になった。

男の人ってなんかガサツなイメージだから嫌いなんだけど、エイジくんもみっくんもそんな感じはしない。

.

りっくんとみっくんにはおやすみを言って玄関で別れ、

エイジくんには車で家まで送ってもらった。

.