雨夜の星 *Birthday present* (ページ43)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:125,000 hit

許しページ43

Aと再会したその日、
Aのご両親に結婚の許しをもらいに行った。

突然のことに驚きを隠せてなかったお義母さん。

親としての責任を果たせなかったオレを咎めることもなく温かく迎えてくれた。

「Aさんとはこの先もずっと共に歩んで行きたいんです。子供のこと、知らなかったとはいえすごく後悔しています。なんで一緒にいてあげられなかったんだろうって…でも美雨が僕たちを繋げてくれたから…会わせてくれたから、もう僕は一生Aさんと離れたくありません。
僕たちの結婚を許してはいただけませんか」

精一杯、気持ちを伝える。

A母「…この子が一人で必死に考えて悩んで決めた姿を見てると私も辛くて、捜してると聞いたとき咄嗟に死んだことにしてしまったんです。でもその嘘のせいであなたにはもっと辛い思いをさせてしまったのよね。だからその分、二人には幸せになってほしいのよ？」

A「お母さん…」

「…お父さん、お母さん。
僕の仕事は特殊なので、この先も悲しませたり不安になるようなこともあるかもしれません…だけどそれ以上に、Aさんがいつも笑顔でいてくれるような幸せをあげたいんです。だから…」

A母「ふふっ。やっぱりユチョン君はママの思った通りの男の子だった！」

「…思った通り、ですか？」

A「そうよね？お父さん」

A父「……あぁ、そうだな。
今度こそ二人で幸せになりなさい。
こんな娘ですが、よろしく頼みます」

「いえ、僕の方こそ…
…っ…あ…ありがとうございます…っ…」

A「ちょっ、と、なんで泣くのよぉ…」

そう言うAも涙目で
二人で幸せを感じながら泣き笑いした。

・

美雨の写真見る？って聞くから
間髪入れずに返事したら笑われた。

見たいに決まってんじゃん！

A「この豆つぶが美雨だよ」

「わ…ちっちゃいな、でもかわいいっすね」

A「…これもらった後に事故に遭ったの…」

「そっか…」

Aの手をギュッと握る。

A「ねぇ…美雨はどんな女の子だった？」

今思えば…

「クリッとした目も、愛くるしい表情も、心配性なところも、今思えばAにソックリだった。
なんで気づかなかったんだろ…すげー悔しい」

A「私がいつもユチョンの話をしてたから会いたくなっちゃったんだねきっと…」

「…会えて良かった。また会おうな」

人差し指で豆つぶの美雨をしばらく撫でた。