雨夜の星 *Birthday present* (ページ42)

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始まりページ42

Aと共に
美雨が眠る場所へと戻る。

「気づかなくてごめんな？
お兄ちゃんじゃなくて、君のアッパだったのに。
美雨のおかげで、ママと会えたよ。だからいつか、
オレたちのところへ戻っておいで」

頬を撫でた暖かい風が
かすみ草とひまわりを揺らす。
微かに夏の始まりの匂いがした。

“ありがとう”

そう心で呟き、ふと時計見て驚いた

「あ…」

あの時、空港で君から受け取った時計は
未来の日付で止まってたはずだ。

その日付は今日で、そして今日はオレの誕生日。

あーー…

「ふはっ」

A「…どうしたの？」

「ん？んー、何でもない(笑)行こうか」

美雨なりの誕生日プレゼント？
考えるだけですげー嬉しい。

再び時を刻み始めた今、
やっと前に踏み出せた気がする。

A「また来るね」

そう言って微笑んだAの手をしっかりと繋ぐ。

もう離さないよ。

決意と共に見上げた空は
どこまでも青く澄み渡っていた。