雨夜の星 *Birthday present* (ページ40)

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同じ名前ページ40

ーコンコン

住職「お話は済みましたかな？」

「あっ、はい///」

住職の声で現実に引き戻されて、お寺の居間でAを抱きしめてることが急に恥ずかしくなり、パッと腕を解く。

Aの顔も羞恥で真っ赤で、
そんな君がとても可愛く思えた。

住職「ユチョンさんが会いに来られたのはやっぱりひーちゃんでしたか」

「…ひーちゃん？」

住職「あぁ…ひーちゃんというのはAちゃんのことですよ。小さい頃からこのお寺にもよく来られててね、その頃から私もそう呼んでます」

そう言えばミウちゃんもひーちゃんって…

A「私の名前ね、亡くなったおばあちゃんと同じなの」

「おばあちゃんと？」

A「うん。お父さんを産んですぐ亡くなったらしいんだけど、聡明で可愛らしい人だったんだって。
だから私が生まれた時、素敵な女性になれるようにって、おじいちゃんが同じ名前をつけてくれたの」

「あ…じゃあお墓の名前ってもしかして…」

A「うん、おばあちゃん」

「はぁ…だからジュンス、気付かなかったんだ」

A「…ごめんね」

「ううん。でもなんでひーちゃん？」

A「私の誕生花の頭文字だよ。
覚えてない？昔とっても大きな花束くれたのに」

「……あ！！ひまわり！！」

A「ふふ、うん。だからひーちゃんなの(笑)
最近はほとんど呼ばれないけどね」

そっか、そういうことだったんだ。

住職「私も初めは、Aさんの御参りと聞いて
てっきりおばあさんの方かと思ったんですよ。
でも後になって、ひーちゃんに会いに来られたんだなと。だからあなたから連絡をいただいた後、彼女にも連絡しました。後悔はしないようにと」

「そうだったんですか…でもそのおかげでAに会うことができました。ありがとうございます」

住職「いえ…でもユチョンさん」

「はい」

住職「もしかして、美雨ちゃんにも会ったんではないですか？」

A「えっ…」

「…どうして…ですか」

住職「墓石に彫られた名前のことをお聞きになりましたでしょう？あの時は分からないと言われましたが、その後も美雨ちゃんの名前を撫でてるのを見てなんとなく。知らないようには思えませんでした」

信じてもらえるだろうか

「あぁ……実は…」

一つ一つ話し始めた。