雨夜の星 *Birthday present* (ページ39)

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伝えたいことと、その答えページ39

A「はねられたの。
歩道近くを走ってた車に」

「はっ！？」

ビックリしてAの顔を見た。

A「頭を強く打ってしばらく意識が戻らなくて…目が覚めたら冬だった。ははは…」

「笑いごとじゃないだろ？今はもう大丈夫？」

A「うん、リハビリしたから問題ないよ」

「はぁ…良かった…」

A「私を死んだことにしたのはお母さん。
意識が戻らない間にジュンス君が捜してるってルミコから連絡がきて、死んだことにしておいてって頼んだみたい。病気のことで私が必死にユチョンと離れたことを知ってたから…
こんな娘の姿は見せたくないって思ったのかな。
意識戻ってからそれ聞いて、申し訳なくて…」

「…オレさ、Aがこの世からいなくなったなんて
全く受け入れられなくて。毎日毎日Aのこと
ばっか考えて、後悔ばかりしてた」

A「…本当にごめんなさい」

「…いいんだ、生きてたから」

親指でAの頬を伝う涙を掬う。

A「……でもね、嘘ついた罰が当たったの」

「バチ？」

A「自分が妊婦だってこと頭にないまま衝動的に動いて、結局事故に遭って、そのせいで赤ちゃん…
天国いっちゃった」

「…それはAのせいじゃないだろ？」

A「ううん。一番守るべき人を守れなかった。
…名前、呼んであげたかったのに」

そう話すAに愛おしさがこみ上げる。

「…辛かったね。だけどオレは、Aが無事で、
今ここにいてくれること心底神様に感謝してる。
不謹慎かもしれないけど、オレにとってはAが生きてなきゃ意味がないんだ」

A「…ユチョン」

「必ず…またオレたちの所に戻ってきてくれる。
絶対に会えるから」

A「…」

伝えたいことはただ一つ。

「今度こそ、オレに守らせて下さい。
Aのことも、未来の子どものことも。
…オレと…家族になってくれる？」

Aの瞳に溜まってた涙が一気にこぼれ落ちた。

欲しい答えはただ一つ。

A「……はい…っ」

2年以上ぶりに交わしたキスは
神様への感謝と、誓いのキス。

・

・

「…赤ちゃんの名前、何にしてた？」

腕の中のAはふわっと優しく微笑んで

A「美しい雨って書いて、“みう”だよ」

そう言った。

あぁ…そうか。

ミウちゃん、オレに会いに来てくれたのか。
だからAにも、もう一度会わせてくれたんだ。

またいつか、ミウちゃんにも会えるよね？