雨夜の星 *Birthday present* (ページ23)

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手紙ページ23

『う…うそ…だろ』

Aが帰国した日
仕事を終えて家に帰ると
部屋にAからの手紙があるのを見つけた。

そう言えばいつも日本に帰る時は必ず
“今から帰るね” “日本着いたよ”
ってメールをくれるのに今日はなかった。
その代わりの手紙？

まさか別れの手紙だと思ってなかったから、
喜んで封を開けたのに。

“ユチョンへ

この1週間、楽しい時間をありがとう。
誕生日を一緒に祝うことができて良かった。
最後にいい思い出ができて、ホント良かった。

ファンミーティングでたくさんのファンに祝ってもらえて良かったね。ファンを大切にしてるユチョンを見れたのも嬉しかったし、誇らしかったよ。

それと同時に、ユチョンはすごく輝いてて眩しい人だから、私とは住む世界が違うし、そんなあなたの隣にいる人としてふさわしくないなって思ったの。
こんなこと言うとまた怒られちゃうね。だけどいつも思ってたことなの。

だから、私とはこれで最後にしてください。

ごめんなさい。
兵役の2年、私は待つことはできません。

自分勝手に別れを決めて、ごめんね。
顔を見たら決意に迷いが出そうだったから、こんな手紙で別れを伝えることしかできなくてごめん。

私はもう隣で見守ることはできないけれど、これからも遠くから応援しています。

2年、ケガのないようにね。
健康で頑張って下さい。

A”

目の前が真っ暗になった。

なんで。
どうして。

その言葉ばかりが頭を駆け巡る。

急いで電話をかけたけれど、
使われていないという無機質なアナウンスに
初めからそのつもりだったんだと知った。

1週間、オレの家で同じ時間を過ごしたA。
どんな思いで過ごしていたの？

「ありがとう」って何回も言ってたA。
サヨナラすること分かってたから？

こんな手紙一つで終わりにするような関係だった？

・

・

『…ヒョン、ヒョン！どうしたの！？』

『A…Aが……っ』

真っ暗な部屋で
泣き続けるオレを見つけたユファン。

手紙を渡すと、ユファンも驚きを隠せないみたいだった。

YF『ヌナ…そんな素振り全くなかったよ？
絶対なんか理由があるんだって！』

『……』

YF『…とにかく、会って話しよ？
今度の日本、俺も一緒に行くから…ね、ヒョン…』

『うん…ありがと』

返事をするだけで精一杯だった。