雨夜の星 *Birthday present* (ページ18)

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夢ページ18

その日は監督さんと話をして
映画のオファーを正式に受けた。

憧れてた監督の映画
それだけでテンション上がる。

Aと付き合ってた頃、
よくこの監督の映画のDVDを借りて観たっけ。

A「この監督の映画に出てるユチョンを
いつか観たいな。密かな私の夢なの」

そう笑って話してたA。

叶えられそうだよ、君の夢。

ホテルに戻り、
映画の原作である小説を開く。

ビール片手にゆっくり読んでたはずが、
いつの間にか寝てしまった。

・

・

『おにーちゃん』

…

『おきてー』

頬を小さい手でペチペチと叩かれる感触。

『…んん』

『もぉー。相変わらず寝起きワルイのっ！』

ムニッ！

『イってーー！！』

思い切り頬をつねられて飛び起きた。

それと同時に、目の前にいるミウちゃんに驚く。

『み、ミウちゃん！！！』

『シーッ。おにーちゃん、声おっきいよぉ』

夢？それとも…

ミウちゃんが美雨ちゃんであることを知った今、
彼女は一体何なのか、ダレなのか、
なぜオレの前に現れるのか聞こうとした時だった。

『まだ待って。
おにーちゃん、何も聞かないで』

『……』

『明日、分かるから。ね？』

明日？何があるって言うんだ。

けどもう子ども相手に問い詰める気にもならなくて
素直に従った。

『…分かったよ』

『きゃは。ありがとうおにーちゃん』

ご機嫌のミウちゃん。

…ん？

空港やFMの時にはつけてなかった、
ひまわりのモチーフが付いたヘアゴム。

『それ、かわいいね。よく似合ってる』

『ホント？？これママにもらったのぉ♡』

ママ？

だって君は…

『ミウね、もうすぐお誕生日なんだよ』

『そっか。じゃあお兄ちゃんと近いね』

『うん、おにーちゃんと近いの』

『……』

『明日、』

『…ん？』

『来てくれるんでしょぉ？』

『ん？』

『待ってるからね、ママと！』

『えっ…』

ママと？

一体、君は何のためにココに来たのかな。

明日の約束？

よく分からないし、不思議な君だけど

また会いたいと思ってる自分に少し呆れて笑って

ミウちゃんの頭を撫でた。

ニコニコ嬉しそうなミウちゃん。

なんだかその笑顔に安心して目を閉じた。

瞬きくらいの、ほんの一瞬だったはず。

なのに

『はっ……またかよ…』

次に目を開けた時にはもう外は明るくて。

……今のは夢？