雨夜の星 *Birthday present* (ページ12)

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君のいる場所ページ12

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澄んだ空気と
鮮やかな緑に囲まれた高台にある霊園。

ジュンスに住所を聞いて
初めて訪れた、君のいる場所。

「すみません。こちらに島岡Aさんのお墓があると思うんですが」

住職「これはこれは。御参りですか？」

「はい。事情でなかなか来れなくて、今日が初めてのお参りなんです」

住職「そうですか。今日はお天気も良いし、Aさんも喜ばれると思いますよ。ご案内しますね」

案内された場所。

聞いていた通り、
日当たりも見晴らしも良いところだった。

「A………っ」

流れる涙もそのままに、お墓を撫でた。

オレ、君を幸せにできてたのかな。

突然別れを告げられて

目の前が真っ暗になったんだ。

それから本当に君を失って

何もかもどうでもよくなって

自暴自棄になったけれど、

君も大切に思ってくれてた
メンバーやファンに支えられて

2年乗り越えたよ。

だけど、オレの中の時計は止まったままなんだ。

Aと離れたあの日から。

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住職「落ち着かれましたか？」

「あぁ…すみません。
いろいろ思い出してしまって」

住職「もしや…あなた、ユチョンさんでは？」

「えっ…」

住職「Aさんの家族の方がね、以前話をされてたなと思い出しまして」

「…そうですか」

住職「女の子だったから、みんな悲しまれてね」

「…」

住職「でも、こうやって御参りしてくださる方が多いからいつも花が絶えないんですよ。ここはいつ来ても明るくて、きれいなお花に囲まれています」

「たくさんの人と花に囲まれてるなんて、
Aらしいな」

住職「…？」

「もういい加減忘れなきゃって思うのに、全然忘れられなくて。ダメっすねオレ」

住職「無理に忘れる必要なんてないんですよ？
心の中であなたを見守ってくれているのですから」

「…ありがとうございます」

そう言って、またお墓に目を向ける。

“島岡家之墓”

その横の墓石には
亡くなった方の名前が彫ってあると聞いた。

Aの名前の隣に
新しく彫られたであろう名前に気がついた。

“美雨”

なんて読むんだろう。

彫字を指でなぞる。

しばらくそうしてた。

住職「ミウちゃんのことをご存知ですか？」

思わぬ住職の問いかけに、

息を飲んだ。