雨夜の星 *Birthday present* (ページ1)

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驟雨ページ1

すっげー雨…

ここに来るまでは降ってなかったのに。

空港内の騒めく声や音も
この雨のせいでかき消されてる。

・

JYJとして先日ソウルでカムバックを果たした。

今回のファンミーティングは単独日本。
ありがたいことに、チケットは完売した。

“また会いましょうね”

そう約束した2年前。

懐かしさと、嬉しさと、緊張と、
いろんな感情が蘇ってきて、自然と顔も綻ぶ。

早くあのラーメン食いてー(笑)

なのにこの雨のせいで飛行機が遅れてて
ラウンジで待つことかれこれ3時間。

一向に降り止まない。

相変わらず“雨男”発揮中のオレ。

……ぅぁぁああ

マネ『！？』

背伸びしながらマネの方へ首を傾げる。

『…ちょっと散歩してきていい？』

マネ『は？』

今きっと悪い顔をしてるオレ。
自分でも分かる。

『ずっと座ってんの飽きたからぁ～
しばらく飛ばないんだし、いいでしょ？』

こんなオレに甘いマネヒョン。

マネ『……はぁ～しょうがないな。
人がいないからって油断するなよ？
目立つこともダメ！なんかあったらすぐ電話！』

『わーかってるって♪』

財布とスマホだけ持って立ち上がる。

・

・

当てもなくフラフラ歩いた。

何百回と来てる空港だけど

こんなの初めて。

いつどこにいても人の視線を感じるのに

今日はそれもなくて。

素の自分でいれる。

たまにはこんな天気も悪くないかも。

・

気づけばかなり歩いてて、

すげー疲れた…

空港ってこんなに広かったんだな(笑)

途中のカフェでコーヒーをテイクアウト。

オレに気づいていない店員さんが
天気とは正反対の、屈託のない笑顔をくれる。

そういうのも、いいよね。

ま、オーラを消す力が健在だったってことか。

ふはは(笑)

くだらないことにも嬉しく思いながら
眺めのいいロビーの一角に座った。

コーヒーがいつもより美味く感じるのは気のせいではないはず。

・

・

ーーザザザザザザザザザーッ

窓から見える外の景色はやはり雨で、

全て流していくかのような激しい雨。

こんな雨を見ていれば
必然的に君のことが思い浮かぶ。

君と出会ったあの日のことを、
まるで昨日のことのように。

ただ、それと同時に

君が去って行ったあの日のことも、思い出す。