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「 ごめんなさいっ、変なこと言って … せっかく直人さん来てくれたのに 」
笑顔を作りながらそう言ったら急に直人さんが立ち上がった
そしてわたしの座ってるソファの前にかがみ、膝元にあった手を両手で握った
片「 この際もう一緒に逃げよっか 」
「 え? 」
片「 誰も俺らのことを知らないとこに行こう? 」
「 、急にどうしたんですか? 」
片「 も … 辛そうなの見てんのが嫌なんだよ! 」
静かに怒鳴り、眉をひそめてこっちを見る
片「 毎晩電話したのだって抱えてるものを少なくしてあげられたらって思ったのに … 強がって相談すらしないで、まじなにしてんの 」
「 直人さん、 」
片「 決めた。Aちゃんを奪い去るから 」
「 え、? 」
直人さんはまた立ち上がり
わたしの両手を引っ張り立ち上がらせた
片「 行くよ 」
「 どこに、!? 」
片「 いいから 」
そのまま手を繋いで外に連れて行かれ、車に乗せられる
リビングが暗かったから
健ちゃんはもう寝てるのかもしれない
「 あの!こんな時間にどこに行くんです、? 」
片「 遠いところ 」
「 でも、健ちゃんになにも言ってないし、 」
片「 Aちゃんはこのまま家に縛られていたいの? 」
「 それは … 」
片「 それにこの間家出したよね?帰りたくなかったから岩田さんのとこに行ったんでしょ? 」
「 なんで知って?!というか剛典さんのとこには自分から行ったわけじゃ、! 」
片「 そんなのどっちでもいい。俺とかけ落ちするの嫌? 」
「 …… 直人さんとなら、どこでも 」
片「 それならいいじゃん 」
「 わたし、今パジャマですよ? 」
片「 大丈夫。とりあえず走らせるから寝てて 」
「 はい 」
片「 あ、寒いよね 」
ガタッ
助手席の椅子に手を置き、後部座席の物を取る
片「 座席倒してこれ掛けてて 」
「 ありがとうございます 」
言われた通り席を後ろに倒すと車が動き出した
シートベルトを締め、白黒のブランケットを掛ける。
そのブランケットは直人さんと同じ匂いがした
「 おやすみなさい 」
運転して前を見てる直人さんに言った
すると丁度赤信号で止まって、こっちを向いて微笑んで " おやすみ " って言ってくれた
それに頭も撫でてもらえた
子供扱いな気もしたけど率直に嬉しかった
しばらく直人さんの横顔を見ていたかったけど
この空間に心地よくなってきて
少し幸せな気分のまま目を閉じた
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直人大好き - このお話し読んでいてとても素敵な話しでした。でもやっぱり主人公と直人さんが一緒に成って欲しいです。更新頑張って下さい。又続きが読めるのを期待してます。 (2018年9月29日 9時) (レス) id: 686629670a (このIDを非表示/違反報告)
優人(プロフ) - 小麦さん» 本当ですか?ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しい限りです(^^)小麦さんの為にも更新頑張りますね! (2018年3月4日 3時) (レス) id: 78c0e6a77c (このIDを非表示/違反報告)
小麦(プロフ) - ずっと楽しみに待ってました!!このお話とっても好きです!更新頑張ってください(^ ^) (2018年2月28日 8時) (レス) id: 896866d73b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優人 | 作成日時:2018年1月24日 1時