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臣side
「 水族館って楽しいね! 」
お前は確かに笑顔でそう言ってるけど
全然笑えてねぇよ
いつもわーわー口喧嘩する仲なのに
こういう時ばっか強がりやがって
俺ら何の為の友達だよ
臣「 ショーあるらしいけど見たい? 」
「 見たい! 」
臣「 行くぞ 」
人混みだからなんて他愛もない言い訳を添えて
Aの手を握る
少しだけ顔が赤らんだ気がした
俺がもしAにとっての特別だったら
ぜってぇ悲しませない自信がある
直人さん、何やってんだよ
席に座り開始時刻まで待っていると
見たことのある人影を見つけた
俺の見間違えじゃなきゃ、直人さんだ
女と一緒に俺らと同様、席に座ってる
… あの女どっかで見たことある気が。
Aはまだ気付いていないようだった
このまま気付きませんようにって
心で祈っているとショーが始まった
俺はもう気が気でなく、早く終わってくれないかと、この場から一刻も早く逃げたかった
「 わぁ、臣、すごいね! 」
臣「 そうだな 」
何分くらいだったのか分からないけど
ショーが終わったので立ち上がる
「 何でそんなに急いでるの? 」
臣「 なんとなく 」
「 もしかしてつまんなかった? 」
臣「 え? 」
「 ごめんね。私が見たいって言ったから 」
臣「 いや、面白かったよ! 」
直人さんが座っていた方を見ると
もうそこに人影はなかった
俺は一安心してゆっくり歩き始めた
臣「 お腹空いた? 」
「 んー、微妙!臣は? 」
臣「 俺は 」
『 広臣、? 』
後ろから女の声がした
同名の人でも呼ばれたのかと思ったが
一応、振り返る
『 やっぱり、広臣だ 』
あー … やべぇ、しくじった
振り向くと直人さんが後ろにいた
それに俺に話しかけたのは美香だった
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作者名:優人 | 作成日時:2017年8月10日 1時