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岩田side


剛「 すみません。こちらに片岡直人さんっていらっしゃいますか? 」


受付の人「 片岡直人 … はい、居りますが? 」


剛「 面会することは可能ですか? 」


受「 お名前宜しいですか? 」


剛「 岩田です 」


受「 少々お待ちください 」



病院を出た後、家に戻りスーツに着替え
一之瀬グループの会社に来た

目的はもちろん、直人さんに会う為



受「 申し訳ございません。しばらくでこちらに参ると思いますので 」


剛「 分かりました。有難うございます 」



言われた通り、ロビーのソファに座って待つ

数十分くらい経った頃に彼がやって来た



片「 岩田さんですか? 」


剛「 はい 」


片「 遅くなって申し訳ございません。私に用ですか? 」


剛「 はい、ただここでは話しずらいので外でも大丈夫ですか? 」


片「 分かりました 」



無言で歩き、近くの喫茶店に入った

席についてアイス珈琲を頼み、話を切り出す



剛「 自己紹介が遅れてすいません。岩田剛典と申します 」


片「 失礼ですが初対面ですよね? 」


剛「 はい、そうですね 」


片「 何でまた私のところに、? 」


剛「 一之瀬Aさんご存知ですよね? 」


片「 … はい 」


剛「 私は彼女の許嫁なんです 」


片「 、なるほど 」


剛「 片岡さん、何でAちゃんに会いに行かないんですか? 」


片「 …… 」


剛「 彼女は苦しんでいますよ? 」


片「 色々あって … 」


剛「 先日倒れたんです 」


片「 えっ! 」


剛「 ストレス性の胃炎で今入院してます 」


片「 そんな、 」


剛「 彼女にとってのストレスが何か分かりますよね? 」


片「 …… 」


剛「 全てが片岡さんのせいとは言いませんが、責任感を持って頂きたいんです 」


片「 じゃあ、今すぐ、! 」


剛「 病院には来ないでください 」


片「 … ? 」


剛「 彼女は健二郎さんに直人さんには知らせないで、とお願いしていました。それを私が無下には出来ません 」


片「 そうでしたか … 」


剛「 だから、片岡さん自身でどうにかして欲しいんです 」


片「 … 分かりました 」


剛「 じゃあ私はこれで失礼します 」


片「 わざわざ有難うございました 」


剛「 いえ 」



席を立ち上がって言い忘れた事を思い出す



剛「 … あと 」


片「 はい? 」


剛「 これ以上彼女を悲しませるようなことをしたら許しませんから 」

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作者名:優人 | 作成日時:2017年8月10日 1時

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