lonely princess 4 (ページ11)

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岩田side

翌日は朝からAちゃんの検査で忙しかった

健二郎さんも終始緊張しているようだった

帰るタイミングを失った僕は
結局検査が終わるまで付き添った

親父に相談したら

" 大きい商談はないから行ってきなさい "

と快く送り出してくれたから会社の心配はしなくていいし、時間的に構う取っ掛かりはない

そして昨日からずっと気になってることがある

二人の会話に出てきた直人さんという方だ

検査待ちの時に勇気を出して健二郎さんに聞いてみた

剛｢あの、聞きたいことがあるんですが｣

健｢俺で答えられる事があれば何でしょう？｣

剛｢直人さんってどういう方なんですか？｣

健｢ … あ、昨日の会話に出てきましたもんね｣

剛｢友人か何かですか？｣

健｢話すと長く、複雑になるんですけど … ｣

そう言って重たそうな口を開いてくれた

直人さんが

一之瀬グループの会社で働いてること。

Aちゃんのお父さんに頼まれて彼女の面倒を見てること。

Aちゃんが彼を慕ってること。

夏あたりから彼からの音沙汰がないこと。

健二郎さんは事細かく丁寧に教えてくれた

Aちゃんも連絡先を知っているのにも関わらず彼に連絡をしないらしい。何故だろう

でも、彼女にとって僕はきっと邪魔な存在なんだろうな。