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直人side
4日目の午後に医者を呼ぶことになって、 僕のみがたまたま休日だったので相席する
健ちゃんはこの4日間ほとんど眠れてないのが顔から分かる
僕と臣は初日だけ泊まらせてもらって、翌日からは、仕事もあるから。と自宅に戻った
仕事という避けては通れない道
それだけに集中出来る訳もなく
心配が心の中を支配してゆく
その支配も日が経つにつれてどんどん大きくなっていって、まさにそれは紙に絵の具を零した時のように染まりが速いもの
今日来たお医者さんというのも恐らくかかりつけ医というものだろう。
喋り方や態度からなんとなく判別出来る
健「 隆二 … お嬢は大丈夫やんな? 」
隆「 とりあえず診察してみるよ 」
躊躇なく服の中に手を入れて聴診器をあてる
その次に彼女を抱く形になって背中にあてる
最後に服を整えて布団をかける
隆「 心拍数は平常で、呼吸音も綺麗だから大きい病気の疑いは今のところなし。 」
健「 良かった、 」
隆「 何で目覚めないのかは俺にも。 」
健「 そうか … 」
隆「 ひとつ。俺が言えるのは、健ちゃんはゆっくり休まないといけないってこと 」
健「 俺が? 」
隆「 Aが目覚めた時、そんな顔してたら真っ先に心配されること間違いないね 」
健「 そんな酷い顔してるんや、 」
隆「 しっかり寝ればすぐ治るから寝てきなよ?今なら俺と片岡さんで看病出来るから 」
健「 でも、お客様やし … 」
片「 全然大丈夫!僕も健ちゃん心配だから 」
健「 有難うございます。じゃあお言葉に甘えて 」
" ガチャ "
隆「 … 」
片「 … 」
隆「 片岡さんって一之瀬社長のとこの社員さんですよね? 」
片「 そうです 」
隆「 初めてお会いしますし、この家に初めて来てからきっとそんな経ってませんよね? 」
片「 まだ2ヶ月くらいしか 」
隆「 片岡さんの目にAはどう映ってますか? 」
片「 どう映ってるか、ですか … 」
隆「 そんな難しく考えないで下さい。
率直に気になっただけなので 」
片「 天真爛漫でいて女性らしく、抜けてるとこもあって、きっと悩みを溜め込んじゃうタイプなんだろうなって感じですね 」
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作者名:優人 | 作成日時:2017年5月29日 22時