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天｢ 花火始まっちゃったしとりあえず見ない？ ｣
リ｢ うーん、そうだね ｣
斜めの地面に敷かれたブルーシートに座る
｢ うわぁ …… ｣
私の視線の先には赤、青、黄色と様々の花火が咲いている
曲とかで花火を起用してる物はたくさん聴いたことがある
でも、どの曲もいまいちピンと来なかった
ただ、それは実物を見たことがなかったからだと今まさに実感した
一瞬美というものか
時の流れの中の一瞬の美しさに価値を見出す。
その一瞬が終われば何もなかったような空虚に襲われ、ある種の恐怖を感じることさえある
切なさがここまで浮き彫りになる風景が他にあるんだろうか、いや、ないだろう
片｢ 泣いてるよ ｣
｢ え？ ｣
頬に手を当てて気付いた。涙が流れてる。
そのまま手をスライドさせて拭うけど、止まらなくて、花火さえも滲んでしまう
片｢ そんなに綺麗に映ったんだね ｣
｢ はい、とても … とても綺麗です … ｣
楽しい時間って、どんな時間よりも短く感じて
ほんのひとときで終わってしまった
臣｢ 綺麗だったなぁ ｣
リ｢ 久々にこんなゆっくり花火見たかも！ ｣
天｢ 健二郎くんなんて十年ぶりくらいでしょ？ ｣
健｢ せやな〜でもお嬢に至ってはお初やからな ｣
何でだろうか
目の前がどんどん暗くなってゆく
隣にいる直人さんの顔さえも
段々ピントが合わなくて
臣｢ おい、A … ？ ｣
片｢ Aちゃん大丈夫？！ ｣
直人さんの声を最後に意識を失くしてしまった
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作者名：優人 | 作成日時：2017年5月29日 22時
