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「…… ごめん 。メール、返すの忘れてた」
あまりの驚きに反応が遅れた。
だけど、辛うじてそう返すと、
『それなら良かった。なんか心配で、ここならまた会えるんじゃないかなって。マスクして風邪でも引いたの？大丈夫？』
唇の傷を隠すためにしていたマスクの事を指摘されて戸惑ってしまう。
「あ、うん… 、ちょっと喉が痛くて… そっか。ごめん、俺は大丈夫だよ」
『本当？もし大丈夫なら話がしたいんだけど、いい？時間ある？』
「… ごめん、今からは時間ない。帰んなきゃいけない」
『じゃあ、違う日は？明日とか』
「ダメ、無理… 」
『なんで？どうしたの？』
問い詰めるように蓮が俺の腕を掴んできたから、びっくってなって肩を竦ませると、
『…なんかあったの？』
心配気な眼差しに俺は謝ることしか出来なくて、だけどふっかに言われた事を蓮に言う訳にはいかない。
「何もないよ。ただ、調子が悪いだけで、」
『大丈夫だってさっき言ったじゃん。… やっぱ、今がいい。少しだけ。少しだけだから、お願い』
切実な蓮の手話に俺はそれ以上何も言えなくて、
ここまで来たら根負けだ。
断り切れない俺が悪い。
「… 本当に少しだけだかんな」
『ありがとう。前に行ったカフェでいい？』
「… うん」
大丈夫、
蓮には悪いけど、早めに切り上げたらふっかに知られる事もないはずだから。
カフェに着くとメニューを渡してきた蓮に、
「俺はいらない」
『どうして？』
「すぐ帰るから」
『どうしたの？いつもの佐久間くんじゃない… 、何かあったんだろ？言ってよ。俺じゃあ頼りにならない？』
蓮の心配する顔が今の俺にとったら辛い。
「何もないよ。大丈夫だから、話ってなに？」
『俺より佐久間くんじゃん』
「俺は大丈夫だって」
『なら、マスク取って』
えっ、て蓮を見る。
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作者名：chugi
| 作者ホームページ：
作成日時：2023年2月4日 21時
