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目覚めると朝が来ていた。
朝と言っても昼を過ぎていて体の節々が痛い。
身動ぐとふっかのがまだ中にあって背後から揺らされて昨夜の続きだと知った。
外が薄暗くなる頃にやっと解放されて、
微睡む意識の中お風呂に入っていて、バスタブに浸かりながらまた体を繋いで、
また気づくとベッドの上で律動を繰り返されていた。
「…ごめんね、ここ傷になっちゃってる。さく、こんなんじゃ明日仕事行けないね」
切れた唇を指でなぞってまた口づけられて噛みつかれる。
血の味が口の中に広がって、苦しくてイヤなのに抗えない。
痛みで顔を背けると顎を掴まれて更に深く口づけられた。
涙目になりながらふっかの顔を見れば、ふっかの方が苦しそうな泣きそうな顔をしてるから、
そんな顔しないでとふっかの頰に触れようとしたら、その手は掴まれてシーツの上に押さえられる。
「明日休んで。こんな顔じゃ行けないでしょ？」
優しくも残酷な言葉に俺は力なく首を横に振る。
「… 仕事には行かなきゃ、おねがい行かせて… 、
ちゃんと帰ってくる、からっ」
好きな仕事を休みたくない。
だって、ふっかも応援してくれてたじゃん… 。
そう懇願すると、
「 ── わかった 」
諦めた表情をしたふっかの心情は今の俺には読めなかった。
午後を過ぎた頃、イベントが行われる正式な書類を届けに馴染みの出版社へ赴く。
これを提出したら今日の仕事は終わりだ。
このまま直帰しても良いと体調が悪そうな俺を見兼ねた上司からメールがきていたのはありがたい。
だけどそれと同時に情けない気持ちにもなる。
だって、理由が理由だから。
でも、今は早く帰らなきゃいけない。
早く仕事を終わらせないと。
書類を提出し、挨拶も済ませ出版社を出る。
スマホのラインをチェックして、ふっかから何も着ていないと安心してる自分がいる。
そんな時、肩を優しく叩かれて顔を上げると、
『お疲れさま。返事、ないからどうしたのかなって思ってた』
蓮だった。
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作者名：chugi
| 作者ホームページ：
作成日時：2023年2月4日 21時
