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知らずにうたた寝してたみたいで、リマインダーの通知音で目が覚めた。
スマホを見ると、手話教室 の文字。
… そっか、今日だった。
着替えなきゃ。
ソファから降りて、── 痛くない。
もう一度顔を洗って着替える。
ふっかに連絡を入れておかなきゃな… 、
でも夕方までには終わるから先に俺の方が帰って来れるかな？
もしそうなら、俺がご飯作ろう。
ふっかの喜ぶ顔が見たいから。
「── どこ行くの？」
ガチャリとゆっくり開いたリビングの扉。
驚いたのは今想っていた人が目の前に居たからであって、疾しい事なんて全くないのに。
「ふっか… っ！」
腕を引かれ連れて来られた寝室のベッドに乱暴に押し倒された。
怖い。
ふっかの事を初めてそう思った。
いつものふっかじゃない、俺に覆い被さり見下ろすのは知らない男の人。
手話習うの辞めて… ？
あいつにも会わないで
約束守れる？
ねぇ、さく。
緩やかに揺さぶられ、核心を逃して追い詰められる。
まだ乱暴にされる方が良かった。
さく、ちゃんと返事して？
じゃないとずっとこのままだよ。
下肢は繋がったままで、早く終わらせて欲しいと訴えたら約束するならと言われた。
かぶりを振ると優しい声とは裏腹に顎をきつく掴まれて口づけられる。
苦しくて拒むと歯が当たって唇が傷ついた。
「… ごめっ、さく、血が … っ」
狼狽えたふっかが謝りながらティッシュで切れたところを拭う。
「… や 」
「ごめんっ … 、ケガさせるつもりじゃなかった。痛いよね、ごめん、さくっ」
ちがう、
ちがうよ。
痛いのはそこよりも、ここだった。
胸が痛い。
ねぇ、なんで？
なんでなんだよ、ふっか。
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作者名：chugi
| 作者ホームページ：
作成日時：2023年2月4日 21時
