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お風呂から出るとキッチンでふっかが朝ご飯を作ってくれていた。

今日は休みの俺と仕事のふっか。



「今日は出掛けない?」


「… ないけど。出掛けらんねー、だろ」


「ふはっ、だね。晩飯は俺作るわ。何食べたい?」

「… 新人の子はいいの?」

「何?新人教育のこと?」


こくりと頷く俺にふっかは優しく微笑んで、


「今日は終わったらすぐ帰るね。食べたいもの決まったらライン入れといてよ。帰りに買い物するし」


立ってるのしんどいだろうから洗い物は置いといていいからね。


そんじゃあ行ってきますって、俺のおでこにちゅーしてふっかが部屋を出る。

いつもと変わらない、優しいふっかだ。


作ってくれた目玉とウィンナーとトーストを食べて、やらなくていいと言われたけど洗い物を片付けた。


ソファに座るとテーブルに置きっ放しになっていたスマホを見つけて、昨夜に蓮からラインがきていた事に気づいた。


『原からこの前の時の写真がきてたのを忘れてたから、おすそ分け』


飯会での時の写真が数枚と、


『来週にご飯行くことになったよ。
やっぱり佐久間くんも一緒に行こう?』


文章からお伺いを立てる様子が想像できて、くすりと笑みが零れた。


「… 行かねーって言ったじゃん」



── あ、ちがうか。

気を遣わすのが嫌だなって思ってお断りする方向で話してたのが別の話題になって、


優しそうな人だったねって、蓮がふっかのことそう言ってて、


「うん。優しいよ。すっごく大事にされてる」



そう答えたばかりなのに、





一体、何があったんだろう?

なんでこうなった?


ずっとそんな疑問ばかり。



明らかに昨夜のふっかはおかしかった。



「蓮って呼ばないで」

「さく、俺のこと名前で呼ばないのになんであいつのことは名前で呼ぶの?」

「やなんだ。めっちゃ嫌。他の男の名前呼ぶなよ」



苦しげにそんなこと言って、

あんな抱き方…

いつもの飄々とした余裕気なふっかはどこ行っちゃったの?


シンと静まり返った部屋の中、ソファに膝を抱えて座る。


腰が痛いや… 。

でも、俺は男だから柔じゃない。

こんくらい、本当はなんともない事なんだよ。

ただね、いつもと様子のちがうふっかが心配なだけ。





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作者名:chugi | 作者ホームページ:   
作成日時:2023年2月4日 21時

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