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仕事終わりの待ち合わせ。
駅の改札口の横で見つけた蓮は本を読んで待っててくれた。
「遅くなってごめん」
『大丈夫。お疲れさま』
「相変わらず本好きだよな。難しそうなやつ。学生の頃もよく読んでたもんな」
昨日とおんなじで懐かしい記憶が思い出されて擽ったい。
笑う俺に蓮も微笑んで、
『佐久間くんにも貸した事あるよね』
「あー、うん借りたなぁ。読まずにかえしちゃったけど」
『あれそうだったの？』
「うん。だって難しいし、訳わかんなくて。でもお前が読んでるから興味あるフリしてた」
素直に白状する。マジ恥ずかしい。
でも蓮は嬉しそうに笑って、可愛かったねって言う。
「いや、可愛くないだろっ。てか、恥ずいからこの話題は無し！」
『照れてるのも可愛い』
「もういいって！」
それより飯なに食べる？って話題を変えて歩き出す。
だけど蓮が俺の腕を掴んだから、驚いて なに？って振り返る。
『昨日はごめんね。俺、いやな態度だった』
「お前 … 、ずるいぞ」
『なんで？』
「俺が先に謝るつもりだったの。俺の方こそごめん」
『佐久間くんは悪くないよ。言いたい事 言っていいって言ったの俺だよ』
「そんな事ない。だって、俺 自分の考えだけで決めつけてたから」
『気にしなくていいよ』
「気にするよ。大事だから… 、ちゃんと話したいって」
『うん。ありがとう。俺も佐久間くんとちゃんと話したい。話さなきゃって思った』
「… 良かった。蓮も同じだった」
『 ？ 』
「や、なんでもない！そうだ、飯どうする？なに食べる？」
笑ってごまかす俺に蓮は不思議そうな顔をしてたけど、次に微笑んで、
『なんでも。佐久間くんの食べたいものでいいよ』
「えー、一番困るやつじゃんっ。正直これと言ってないんだよなぁ」
でもお腹空いたし… 、
『色んなものが食べれるとことか？』
「あー、いいねそれ。前に一緒に行った居酒屋とか。ほら、ダンススクールの」
『待って、探してみる』
スマホを出してお店を検索してくれてる蓮。
その隣りでふと思い出した。
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作者名：chugi
| 作者ホームページ：
作成日時：2023年2月4日 21時
