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「…… 元気ならいい、かな?」
気にはなっていた。
だけど、口に出しちゃいけないってそう思っていたから。
「ふふ、元気そうだったよ。だから佐久間も気にしないでらしくいればいいんだよ」
「俺らしく?どうゆうこと?」
「だって佐久間ふっかと別れたこと、気にしてるでしょ?別れた原因はお互い言いたい事が言えなかったせいだって」
「… そう、だけど」
「目黒とはそうならない様にって思ってるなら、もっと話さなきゃダメなんじゃないの?」
── そうだ。
蓮とはちゃんと向き合いたいって思ってたじゃん。
なのに、また、同じ事を繰り返すの?
そんなの、やだ。
「…… 蓮と話す」
「だね。それがいい」
「うん。ありがとう、阿部ちゃん」
きちんとお礼を言って、電話を終える。
結局はいつも阿部ちゃんに助けられてるよね、いつもそう。
ありがとうね。
そうだ、
ご飯奢らす刑は免除してあげよう。
そんな事を思い浮かべながら笑ってしまう。
蓮 。
どうしてるかな?
一緒にご飯食べたばっかりなのに、気まずいまま別れて何であのまま帰って来ちゃったんだろう。
蓮と話したい。
スマホをタップしてラインを開く。
「明日、会って話がしたい」
すぐに既読が付いた。
『俺も話したい』
良かった。
そう返ってきて、蓮ももしかしておんなじ気持ちなのかなって思った。
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作者名:chugi | 作者ホームページ:
作成日時:2023年2月4日 21時