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「やらかした… 」
「なに？どした？何落ちてんの？」
帰宅してからの阿部ちゃんとの電話タイム。
あの後、蓮と別れて真っ直ぐ家に帰って来てもモヤモヤの気持ちのまま、スッキリしたくて阿部ちゃんに救助要請メールを送った。
すぐに電話をくれて、
「目黒とデートだったんでしょ」
「デートじゃないよ、ファミレスでご飯食べただけ」
「好きな人とご飯なら、どこで食べようがデートなんだよ、それは」
「… 阿部ちゃんの持論ってばやっぱ最強」
「ありがと。で、なにをやらかしたって？」
「声で話さないのはなぜ？って聞いちゃった… 」
「え？目黒、声出せるの？…… そっか。途中失調者だもんね、出るか。で、目黒はなんて？」
相変わらずの頭の回転の速さに感心してしまう。
「手話があれば十分って」
「うーん、… 難しいよね。目黒の場合は。しゃべりたくないのなら、わざわざしゃべらなくていいっていうのが目黒にとっては安心できるのかも知れないね。
そういえば目黒にはろう者の友達がいるんだろ？その人は声を出さなくていいから目黒にとっては気が楽なのかも」
「気が楽…… 。そうなのかな。
それとね、もともと聞こえていた人は話す人が多いって言っちゃったの。多いってだけで、少しはいるっていう事なのに、俺 … 、ひどいこと言った。なんでそんな事聞いたんだろ… っ、やっと、目の前にいてくれるようになったのに」
「佐久間。もっと目黒と話せばいいんじゃないかな？ちゃんと顔を見てさ」
「… そうだね」
「だめ？浮上しない？」
「出来るように頑張る」
「あはは、… ごめん。笑い事じゃないよね。
そうだなぁ… 、そうだ。ふっかとはもう連絡は取ってないの？」
「…… 取ってないけど、なんで？阿部ちゃんは連絡取ってんの？」
「まぁ、たまにだけど」
「そっか… 、そうなんだ」
「うん。ふっか、どうしてると思う？」
「どうって… 」
なんでそんなこと聞くの？
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作者名：chugi
| 作者ホームページ：
作成日時：2023年2月4日 21時
