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2時間ほどの新人教育を終えて片付けをしてると、ライン通知がきてスマホを見てみると阿部ちゃんからだった。
“佐久間、いま目黒と一緒にいるよ”
何言ってんだよ。
さくは今頃家でアニメ見てんだろ。
返事を返そうかとしたけど、やめた。
「深澤さん、ご飯連れてってくださいっ」
店を閉めて振り返ると、帰ったと思っていた新人の子がいて、
男受けが良さそうな子、って言うのが第一印象。
学生の頃、こーゆー子とよく付き合ってたなぁって。
見てくれが良くて、頭が空っぽそうな。
「… あ〜 、そうね 、」
正直早く帰って時間があればさくの家に行くつもりだった。
スペア持ってるからもし家主が居なくても入れるんだけど、
ちょっと待ってねと声を掛けて、さくにラインを入れようとアプリを開く。
だけど、一番上にきてる阿部ちゃんのメッセージが目に入って、そっちを開いてしまった。
既読スルーでもいいけど… いや、あとあと面倒くさくなりそうね。
『どこで見たの？』
そう返信したらすぐに既読が付いた。
“〇〇のお好み焼き店”
「…… お好み焼きでもいい？」
「え？お好み焼きですか？私大好きです！」
行ってどうすんの？って感じなんだけど。
「や。やっぱやめよ。
ラーメンでいー？俺ラーメン好きなんだよね」
あいつと仲睦まじくにこにこ笑ってるさくを見て嬉しい気持ちになる訳なんかないのに。
うそ。
そんなさくを見る勇気がなかった。
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作者名：chugi
| 作者ホームページ：
作成日時：2023年2月4日 21時
