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阿部ちゃんと会った。


実はさっき目黒とも会ったんだ って笑う。



「思惑通りになって満足?」


「そうだね」


「ほんと、腹立つわー。
つーか、阿部ちゃん俺のこと好きなの?」


「ないない。なんでそうなるかな?」

「やっぱ、佐久間のため?」

「うん。佐久間が幸せなら俺も幸せだから」






「やっばぁ。ほーんと歪んでるね」



















佐久間に電話をした。


自分から別れを切り出したくせに、声が聞きたいだなんて。


勝手だなって思いながらさくの声を聞いて会いたくなる自分がいる。


大丈夫かと聞けなかった。

さくの大丈夫は大丈夫じゃない。

強がって、心配掛けないようにしてんのわかってるから。

だけど、そうさせてるのはこの俺。


身勝手な俺のせい。





電話を切ってベッドに寝転がると、水分を含んで重たくなった瞼を閉じる。



声が聞けて良かった。

本音を話せて良かった。




蘇るのは懐かしい幸せな記憶。
















朝目が覚めると隣にはさくがいて、起きるのを待つ。

ゆっくりと瞼が開いて俺の顔を優しい顔して見るんだ。




「… 寝起きでいきなり目ぇ合ったのびっくり」


「おはよ」

「ふふ、おはよ」


「俺も起きてびっくりした」

「なにに?」

「さくが横で寝てたから」

「え、昨日の記憶ないの?」

「あるよ」

「あるのに?」


なんだよーって微笑むさくを引き寄せて抱き締める。

穏やかで優しい気持ちしかない、ゆったりと温かい。



こんな風にいつまでも続くんだと思ってた。



















カーテンから差し込む光に目が覚めて、時計を見たらもう朝。










「腹減った… 。ラーメンでも食うかな」

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作者名:chugi | 作者ホームページ:   
作成日時:2023年2月4日 21時

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