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わかった。
わかったから。
「佐久間ん家にある俺の物もさ、もし出てきたら捨てといて。もういらないからさ」
「… うん。
でも、もし捨てていいのかわかんなかったら聞いていい？」
「聞かなくていいよ。捨てて？」
「… わかった 。うそ。ねぇ、本音言っていい？」
「なに？言っていいよ」
すっと息を吸い込む。
泣くな。
泣かないで、伝えたい。
「ふっかってさぁ、ひどいよな… 、自分のことばっか言って、結局俺の話ぜんぜん聞いてくんなかったの。今だってそう。自己完結して、俺だけなんか置いてきぼり」
泣かないって決めたのに、涙がぽろりと零れ落ちる。
「… そうだね。
俺ね、自分勝手なやつなの。
それずっとさくに隠してた。嫌われたくなくてさ。
酷いことしてごめんね。ほんとごめん。
謝って済むことじゃないけど、もっと酷いことする前にお前と別れて良かったって思ってんの。
勝手なことして本当にごめん」
「本当だな。最低だわ… 。
でも、なんでだろうなぁ、酷いことされた気してねーんだよ。
… だって、それがふっかの本当の気持ちだったから… っ 」
「うん… 、そうね。
本当の気持ちだった。
今もさ、言えて良かった… 」
「俺はまだまだ言い足りない。
もっとさ、言えば良かった。恥ずかしがんないでさ。俺ね、本当にふっかの事が好きだったんだよ。いつも一緒にいて楽しくて幸せだった。居心地が良かった…
好きだったよ。この3年間ずっと、一番好きだった人だよ」
「… うん。ちゃんと、伝わってたよ。
俺も、この3年間本当に幸せだった。ありがとう」
ふっかの声が震えてる。
泣いてるんだと知って、俺もまた泣いてしまう。
好きだった。
過去形にしたのはふっかを困らせたくないから。
本当は今でも好き。
でも、言わない。
「本当はね、さくと話したかったんだ。声、聞きたかった」
「うん … 」
「ラーメン伸びてない？」
「… ん、伸びちゃったね。やばい、汁無いわ」
「ごめん」
「いいよ。汁無しでも旨いから」
「そっか … 」
「そろそろ切るね」
「うん」
「話せて良かった。またね」
普通に終わらせたいから。
「ばいばい」
ばいばい、ふっか。
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作者名：chugi
| 作者ホームページ：
作成日時：2023年2月4日 21時
