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あれから数日が経って、佐久間くんから何も連絡はない。




どうだったのかな?
大丈夫かな?
ちゃんと自分の想いを伝えることが出来たかな?

気になるけど、俺から連絡するのはきっと違うと思うから。


だからって待つだけっていうのも違うのかな?

そう思い始めた頃に阿部ちゃんを偶然仕事帰りに見掛けて、気づいた阿部ちゃんが少し話してもいい?って声を掛けてくれた。



近くのカフェに入って向かい合わせに座る。

そばに来たウェイターにコーヒーふたつと頼んでくれて、その間俺はスマホのメモを開いて文字を打つ。



『久しぶりだね。
どうしたの?』


それを見せてから音声アプリを開いた。




「佐久間別れたよ」



え?



「聞いてない?
あいつすっごく落ちてるから慰めてやってよ」




なんで … 。


びっくりして時が止まったみたいに動けない。


だって、そうじゃん、

佐久間くんからあんなに好きだっていう気持ちが溢れてた。

だのに、この前会った佐久間くんは泣いていた。


心が見えないって… 。

でも、ちゃんと分かり合えるように向き合うって。



『── 別れたって、なんで?』



「… なんで?
わかんないの?」


『 ? …… 俺の、せい? 』



その問いに阿部ちゃんは困った風に眉を寄せて、


「二人が別れたのがもし目黒のせいだとして、それが何? 納得いかない?」



頷く俺に、


「でもさ、目黒も佐久間のこと振ってるじゃん。もっと、残酷な感じでさ。
それなのに納得いかないとかおかしくない?
てか、おかしいよ。
2人のことは2人にしか分かんないんだよ。
そんな2人が決めた事なんだから、どうする事も出来ないんだよ」


突き放すような言い方に、だけど俺は何も返せない。

この人の言う通りだ。

分かってる。

分かってるけど、



「理由はどうあれ、もうあの二人は別れちゃったんだからさ。
目黒は本当なにも気にすることなんてないんだから、気兼ねなく佐久間と会えばいいんだよ」


『気にするよ。佐久間くんに会ってみる。会って、話聞いてみる』


「うん。そうしてやって」




にこりと微笑む阿部ちゃんの心情は見えない。



だけど、ちゃんと佐久間くんと会って話をしなきゃって決心がついた。






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作者名:chugi | 作者ホームページ:   
作成日時:2023年2月4日 21時

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