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「なんで…っ？」
声が震えてる。
「なんで？… わかるでしょ」
落ち着いた困った風に笑うふっかを、なんでそんな風なのか訳がわからなくて、
「やだ、やだよ… っ、別れるなんて…っ、なんでっ？わかんないよっ！
俺のこと嫌いになったの？
そうなら教えてよ、やなとこ直すから。
…… 蓮に、もう会わないからっ」
そう必死で叫んでいた。
だのにふっかは苦しげに首を横に振るだけで。
「… ちがう。ちがうんだよ」
「じゃあなんでっ？他に好きな人が出来たの？」
そう言って、思い当たる事が頭に過ぎて、
好きな人って、お店の子… ？
「後輩のあの子なの…？」
「な訳ないでしょ、俺はずっとさくしか見てないし、俺にはさくだけだった」
「じゃあなんでっ」
「俺ね、さくと一緒にいて本当の自分を知ったんだ。
さくのこと独り占めしたくて仕方ないの。
さくのこと誰にも見せたくないんだ。閉じ込めて俺だけのものにしたいの。
そんなんやばいっしょ。俺、めっちゃ束縛しいのキモいやつなの、それ初めて知っちゃったんだよ。
そんな自分がいやだ。俺、さくといるとどんどん嫌なやつになっちゃう」
「そんな事ない… 、やだ、ふっか…」
「そんな事あるんだよ」
「別れるとか、無理だし っ」
泣きながらかぶりを振る。
なんでっ？
そんな言葉ばかりが頭を駆け巡るだけで、
ふっかはちゃんと理由を言ってるのに俺が認められないだけ。
だって、そんなの認められるはずないじゃんっ。
なのに無情にもふっかは告げた。
「… さく、聞いて。俺が無理。
ねぇ、無理なんだよ。
お前を傷つけたくない。でも、ほっとけないし、離したくない…… 。そんなんばっか。
さく、もう俺疲れちゃった。
別れて？お願い」
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作者名：chugi
| 作者ホームページ：
作成日時：2023年2月4日 21時
