ロイヤルミルクストーリー (ページ7)

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「日本料理店の息子がケーキ屋でバイトって、親父さん知らんとちゃうの？」

「… ゆうたら反対される。頭硬いから」

「でも、一流や」

「かも知れんけど、俺が作りたいのはケーキやもんっ」

「お前さ、ここ来てケーキ作れるって思ったん？」

「え？」

「え、ちゃうし。俺別に教える気ないで？俺でさえまだまだ発展途上中やねんから」

「そっそうなん … っ」

「ふははっ、あからさまに落ち込み過ぎやろ」

「だって、章大さんに手取り足取り教わりながらのラブレッスン … 」

「え、なんて？お前さ、前から思ってたけど妄想癖あるよな？」

「も、妄想っ？や、現実にするもんっ！」

「それはまぁ頑張れ？」

「え！章大さん応援してくれるんっ！？めっちゃ嬉しいっ！」

「俺に危害があらへんのなら」

「き、危害って！最近1番人気のガトーショコラ！章大さん少しレシピ変えたよね？甘くなってるってこの前お客さんも言っててめっちゃ美味しいって」

「ああ、あれな。ビターやなくてミルクチョコに変えた」

「それって俺のアイデア …っ」

「うん。そやな。ありがとう、晶哉」

心臓止まりそうっ！！

晶哉って言った！！！

「 … 嬉しくて死にそうっ」

「単純。佐野、お客さんがいらっしゃった。通して」

「はーいっって、もう佐野っ！」

「なぁ」

「はい？」

「お前さえ良ければ俺はお前がここに居ってもいいと思う。たかがアルバイトやん？
でもな、パティシエになりたいのなら話は別や。ちゃんと親御さんの了承をもらわな雇えへん。
わかったか？」

「 …… はい」

「俺は教える気無いけどな」

って事は、ここに居ても良いってこと？

調理場に入って新たにケーキを作り出す章大さんの姿を見て緩む頰を抑えられない。

まさしく俺は怪しい人。

いやはや、章大さんの美味しいケーキをたくさんの人に食べてもらうのだ！

「いらっしゃいませ。ようこそchouetteへ」

お気に入りのケーキが見つかりますよう、お手伝い致します！

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