ロイヤルミルクストーリー (ページ39)

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「癒しや … 」

そんな事を呟いて店内に入ると、
マルさんとお話し中やった章大さんが気づいて優しく微笑んだ。

「トモ、おはよう。帰ってきてたんやな」

「しょーた！」

嬉しそうなトモくんは俺の手を離して章大さんに駆け寄った。

「トモくんおはようさん。ママは何処におるん？」

「 … おうち」

「また勝手に抜け出してきたんか？危ないねんからあかんやろ？」

「 … ごめんなさい」

はあぁ、きゅんっ。

しゅんとするトモくんの頭を撫でた章大さんはしゃあないなぁって破顔する。

きゅん、きゅんっ。

「フルーツあるから食べるか？トモの好きなりんごもあるよ」

「食べるっ！」

なんちゅー和みのある風景 … っ、かわいいっ。

きゅん死に寸前。

「佐野くん、口開いてるで」

開店まであと少し、
りんごやいちごを頬張るトモくんを眺めているとマルさんも隣りにきて、
なかなか微笑ましいよなぁって優しい笑顔を浮かべている。

「トモくんのお家って近くなんですか？」

多分、4歳くらい？

そんな幼い子がひとりでここへ来るという事はそうかなって。

「うん。目の前のマンションに住んどるん」

「ちかっ」

「あー、でも住むっていうか、なかなかのインターナショナルな子でな、ママもお仕事で出張が多いから海外を行き来してるんよ」

「そうなんや… こんな小さいのに、もしかして英語ペラペラなんかな？」

「はは、それは確認した事ないけど」

ん？
…… ママも？

「ところで佐野くん。
今夜、章ちゃんをデートに誘う予定やろ？」

「へっ？」

「章ちゃんは和食が好きやから、ご飯行くなら日本料理がええんちゃう？」

日本料理っ？

「 …… それって、家族に紹介っていう意味ですか？」

「いや、知らーん。俺そこまで言ってないもーん。
… どーするかは君次第やけど」

ハードル高っ。

つか、親に紹介… いや、したいけどっ。

でも、章大さんに怒られそうやな。

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