ロイヤルミルクストーリー (ページ20)

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その後のバイトはなんか失敗続きで、その度章大さんの視線が痛くて… 、

楽しみやった閉店後の作業がひどく気が重たくて。

俺、こんな事で沈んでどうするねん。

章大さんとちゃんと話がしたいだけやのに、俺が子供やからこんな事になってしまうん？

なんで？

なんでなん？

ずっとそんなん考えながらやっと閉店作業も終えて、今日はもう帰ってもええんやで？の、
気を遣ってくれたマルさんに大丈夫ですと答え残った調理場に章大さんと2人っきり。

入り口でまごつく俺に早よ入ってそこ座りって、章大さんが促す。

言われた通り、綺麗に片付けられたフラットな調理台に並べられたのは３つの白いプレート。

「 … すごっ」

３つとも種類の異なるプチケーキやクッキー、チョコレートにマカロン、スコーン。

章大さんが言っていたパウンドケーキにアップルパイも。

「全部で15種類、一皿に各5種類選ぶん。
こんだけの種類があったら友達とかでシェアできるやろ？」

「うん。映えもばっちりや… 」

「紅茶は佐野、お前がお客さんの目の前で淹れるんよ」

今はまだ茶葉はないけど、代用のアッサムで練習や。

「 … 緊張するっ」

「そやなぁ。でも、お客さんが喜んでいる姿想像してみ。わくわくせーへん？」

「…… うん」

色とりどりの可愛らしいケーキやお菓子が乗ったプレートを見た時の笑顔。

アッサムティーにお好みでミルクを注いで、微かなシナモンの香りも漂って。

今どきのお客さんならインスタ用に写真とか撮って楽しい会話が弾んで、食べたら幸せな気持ちになる。

だって、章大さんが作ったスイーツなんやから。

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