ロイヤルミルクストーリー (ページ24)

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「嬉しいん？」

「そりゃ嬉しいよ。だって章大さんと居れるし、章大さんの好きなスイーツの作り方教えて貰えるし」

「そうなん … 。なんかお前と居ったら免疫がつくっちゅーか、慣れてくるっちゅーか」

「俺ウイルスちゃうよ！」

「あはは、ほんまやな。でも、似てるで」

「ちょ、意味わからんしぃ」

「シュークリームはな、手早く作らなあかん。そんで気をつけるのが卵の分量」

とりま俺が作るん見とき。

さすが手際良く作業する章大さん。当たり前やけど、まったく無駄がない。

「牛乳って沸騰させるの？」

「うん。吹きこぼれる直前まで沸かすんよ。だから目ぇ離したらあかんで」

「小麦粉はどこで入れるん？」

「薄力粉な。シュークリームに適してるん。
沸騰したら、いったん火を止めて、ここで入れる。で、素早く混ぜる。粉っぽさがなくなったらつぎは卵液を数回に分けて入れてよう混ぜるん」

「わぁ、きれいな黄色になった！」

「卵液が少なかったら生地にツヤがないし、入れ過ぎたら焼いた時にふっくら膨らまへん。
だから、ベストな状態はゴムベラですくった生地がある程度時間を掛けて落ちて、尖った逆三角形になったらオッケーや。わかる？やってみよーか」

「はい」

卵液は入れ過ぎず … 、って思ったらなかなか上手く入れれん。

「もうちょい入れていいよ」

「はい」

「ええよ、それくらい」

「むっず … 」

絞り袋に生地を入れて、章大さんがやる通りにオーブンシートを敷いた天板に絞っていく。

「これを温めておいたオーブンで25分焼く。クリームは先に作っといて冷蔵庫に入れてあるし。焼いてる間に後片付けするで」

「俺洗いますっ」

「さんきゅ」

洗い物をする隣りで章大さんがスマホで何か調べものをしている。

「SNSってすごいのな」

「え？何見てるん？」

「インスタ」

「えっ、章大さんインスタしてんの！？」

「何よ、その驚きよう。俺かてそれくらい知ってるっちゅーねん … 情報収集でやってるだけやねんけど」

「や、章大さんがインライしてたら絶対見るよなって」

「インライ？なにそれ」

「インスタライブ」

「？知らんよ」

「ふふ、かわいい」

「なんでやねん。あ、店のメニュー載せてくれてるっ」

「かわいく撮ってくれてるね。インスタ映えしてる」

「これがインスタ映え？！」

へえーって感心してる。

可愛過ぎる。

めちゃくちゃキスしたい。

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