＊ ページ7
.
個室に押し込まれ、そこでコトの重大性を知った。
「 そんなままで出勤するんですか？」
「えっ？」
抱えた鞄で隠していた身なりは触られた時の乱れたまま、
俺はびっくりして慌てて整えようとするけど、目の前の彼の手に阻まれた。
「 なにす … っ 」
「手伝ってあげる」
「 は っ？ や、っ いいから っ 」
冗談やない。離してくれと抗う。
けれど狭い個室じゃ動きが取れなくて、
「暴れたらバレちゃうよ？ 〇〇高校の安田先生 」
「 … なん で っ？ っ あ ぅ … ん っ 」
壁に追い込まれ、緩くもたげたものを直に扱われる。
性急さに瞬く間もなく達してしまう。
信じられへんっ。
「 … っ う 、は っ ぁ っ 」
ずり落ちてしまいそうな体を支えられ、不覚にも彼のシャツにしがみ付いてしまった。
細い腕やのに力強い、顔を見上げると降りてきた唇。
「 ん … っ」
キスされてる。
舌先が唇の隙間に入ってきて口腔を動き回る。
見ず知らずの高校生に。
頭の奥でそんなん考えながら、ぼぉっとする意識。
「 これは俺とあなたの内緒ごとやから」
だから、またね 。
そうにやりと笑った顔の、前髪が重めで目が見えにくいん、なんか勿体ないってそんなん思った自分が滑稽。
そして、
暫くしてからやった。
まさかうちの学校の転校生やったとは。
ふっ、
懐く、なんてそんな可愛らしいもんやなかったな。
脅し。
それや。
「 空見ていると眠なるんなんでやろ ？」
「 …… 腹がいっぱいなんか、興味ないからやろ」
「 … そか。先生見てる方が飽きひんわ」
覆い被さってきた佐野を見上げる。
相変わらず重たい前髪。
「 … 髪、目に入らんの？」
触れようとして伸ばした手を掴まれた。
「目 、コンプレックスやの」
「 ？ こんな綺麗な目やのに？」
「 綺麗やないよ。紛い物やもん」
「 まがいもの … ？」
「そう。でも、好きな人しか映さへん」
真面目な表情の佐野に俺は頰を緩ませる。
こいつは少し変わっている。
だから、まともに取り合ったらいけない。
現に今も押し倒された体勢で、普通ならこんな教師と生徒いる訳ない。
「 … 退いて 」
「 お昼ご飯の後の運動しよ？」
冗談 っ、佐野の手が腰まわりを弄ってスラックスからシャツを抜くから慌てて体を起こそうとした。
なのに、押さえられて敵わない。
「 ふざけんな っ、やめ … っ」
降りて来る唇。
子供のくせに、子供らしくない。けれど、時折見せるあどけなさはなんなん？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chugi(プロフ) - 華月さん» 記憶喪失ネタを思いついたのですが、きっと書き切れないだろうとこんな短編に😆お互い大事過ぎて切ないのがお伝えできていれば😊さのやすの未来に幸あれ！！コメントありがとうございますー❣️ (2022年1月30日 21時) (
レス) id: 74696fc9b7 (このIDを非表示/違反報告)
華月(プロフ) - うわぁぁぁ😭😭😭佐野くんのまっすぐ過ぎる愛情も、愛ゆえにそうしそうなヤスくんも…いとしすぎて切ない😭😭😭さのやすの未来に幸あれ！！ (2022年1月30日 21時) (レス) @page48 id: a0ab68cfff (このIDを非表示/違反報告)
chugi(プロフ) - めろんぱんさん» わたしの方こそありがとうございますっ🥲 (2022年1月30日 13時) (レス) id: 74696fc9b7 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - はぁぁあすきです ありがとうございます涙 (2022年1月30日 12時) (レス) @page48 id: 778b61c141 (このIDを非表示/違反報告)
chugi(プロフ) - 華月さん» 難曲と外での歌唱にもしかしてまた届かないんじゃ…😨との心配を吹き飛ばしてくれましたね😆ほんと良かったー❣️佐野くんブログでしょーたさんに報告した事言ってくれないなーと待機中でございます^ ^うへへっこちらこそありがとうございます！ (2022年1月19日 8時) (レス) id: 74696fc9b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chugi
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年9月27日 9時
