＊ ページ27
.
「安田さん 」
呼ばれて振り返れば丸山先生だった。
「… どうしました？」
駆けてきたせいか息を弾ませた丸山先生の表情は何故か泣きそうで、
「あなたに言うてなかった事があるんです。これだけは伝えときたくて… 」
「なんですか？」
「僕はあなたの親友だった人が好きでした」
「… え ？」
「開業する前までね、僕は彼が入院してた病院で働いてたんです。彼は僕の患者で、話し相手に近い… 、彼はあなたの事ばかり話していたんよ。いつもあなたの話ばかり…… だから、彼のことを思い出せへんあなたの事が嫌いやった。それは今でも。
けど、もうええかなって思てます。だってもう彼はここには居らへんから」
「 … 何、言って 」
何でもないようにつらつらと話して薄く笑う丸山先生。
様子がおかしい。
普段の彼じゃない、どうしてしまったんやろう？
「死んだら会えるんかな … 。そんなん考えた事ない？」
夜風が緩やかに吹く。
俺は、首を横に振って後退る。
死んだら、どうなるんやろう？
つい最近考えてた事だ。
わからない。
わからないけど、
この人が言っている事はまったく違う気がした。
「それで会えるなら、願ったり叶ったりやねんけどなぁ」
そう言って笑って、それじゃあね と踵を返す。
俺はその背中を見つめるだけで、小さくなるまでその場に立ち尽くした。
そして知った後日の新聞記事。
彼は親友に会えたんやろうか？
この世界を終わらせてまでして。
.
The end of the real world
ボクが額を見せるわけ→←＊The end of the real world
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chugi(プロフ) - 華月さん» 記憶喪失ネタを思いついたのですが、きっと書き切れないだろうとこんな短編に😆お互い大事過ぎて切ないのがお伝えできていれば😊さのやすの未来に幸あれ！！コメントありがとうございますー❣️ (2022年1月30日 21時) (
レス) id: 74696fc9b7 (このIDを非表示/違反報告)
華月(プロフ) - うわぁぁぁ😭😭😭佐野くんのまっすぐ過ぎる愛情も、愛ゆえにそうしそうなヤスくんも…いとしすぎて切ない😭😭😭さのやすの未来に幸あれ！！ (2022年1月30日 21時) (レス) @page48 id: a0ab68cfff (このIDを非表示/違反報告)
chugi(プロフ) - めろんぱんさん» わたしの方こそありがとうございますっ🥲 (2022年1月30日 13時) (レス) id: 74696fc9b7 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - はぁぁあすきです ありがとうございます涙 (2022年1月30日 12時) (レス) @page48 id: 778b61c141 (このIDを非表示/違反報告)
chugi(プロフ) - 華月さん» 難曲と外での歌唱にもしかしてまた届かないんじゃ…😨との心配を吹き飛ばしてくれましたね😆ほんと良かったー❣️佐野くんブログでしょーたさんに報告した事言ってくれないなーと待機中でございます^ ^うへへっこちらこそありがとうございます！ (2022年1月19日 8時) (レス) id: 74696fc9b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chugi
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年9月27日 9時
