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一緒にいた女には帰ってもらい、テーブルの上を店員が片してから亮は席に着く。
ついでにカフェラテを頼んで、
「おまえ、何やっとんねん」
ドスの効いた声で大倉を睨む。
「──女友達とランチ」
「…章ちゃん知ったら、どうなるんかわかってやってんのか?」
「ヤスは知ってるよ。俺に女友達多いのも、ヤスの知らんとこで飯食ったり、お酒飲んだりしてるのも」
しれっと話す大倉が、なんじゃこいつってムカつく。
「でも、それだけ。浮気やないし、そんなん別にかまへんやん?ヤスも理解してくれてるし」
「理解してるフリ、なんちゃうんか?それ」
束縛して、嫌われたくなくて。
亮の言葉に、大倉が反応した。
「──なぁ、それって、幼馴染みやからなん?」
「は?」
「幼馴染みやから、なんでもわかります知ってます態度、前々からムカついててん。ヤスと付き合ってんの俺やで?亮ちゃんの知ったか、ほんまムカつくねんけど!」
これが、大倉の本音か。
「ヤスに何相談されてんのか知らんけど、俺らの問題やねんやから口出しすんのやめてや。──それとも、亮ちゃんヤスのこと好きなん?」
「………だったら、なんやねん」
「は!そんなん認めんで。ヤスは俺のや」
「そう思うなら、なんで章ちゃん悲しませるねん!おまえが友達であろうが女とおって嬉しいわけないやろ!なんでそれがわからんねん!」
「だまれや、何も知らんくせに!!」
──大倉が怒鳴るとこ、初めて見たわ。
「理解してるフリ?なんや、それ。そんなん望んでないし、頼んでない。いややったら、はっきり言ったらええねんっ。…俺のこと、好きちゃうんかなって不安なってんの、俺の方やで」
……なんや、それ。
すれ違ってるだけやん。
亮は笑ってしまった。
俺の入る隙間あらへんやん。
なんや、それ。
──でもな、
俺、もう引かへんで。
「おまえにはおまえの言い分があるんは分かったわ。けどな、章ちゃん不安にさせてるのには変わりないんやで」
それっきり、大倉は俯いたままひと言も話さなかった。
亮も何も言わない。
いつの間にか置いてあったカフェラテは、すでに冷めていた。
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chugi(プロフ) - お昼ご飯にしてやるさん» またのお越しをありがとうございますっ♪私も再読… 拙くて恥ずかしいっ(≧∇≦)けれど、そう仰って頂けてめっちゃ嬉しいです^ ^ 本当、書いて良かったなぁって思います。素敵なコメントをありがとうございました。よかったら、またお越し下さいね。 (2019年11月16日 16時) (レス) id: f4059ec95f (このIDを非表示/違反報告)
お昼ご飯にしてやる - コメント失礼シマス。だいぶ前にこの作品を拝見させていただいたのですが題名を忘れてしまい、必死に探してやっと見つかった今日……機内の亮ちゃんの泣いている表現の仕方が印象的で、喪失感があふれていて忘れられずに引きずっていました。好きです(唐突) (2019年11月16日 1時) (レス) id: 0ff268ad35 (このIDを非表示/違反報告)
chugi(プロフ) - ☆さん» 幼馴染み、最高ですよね!私の中ではヤンマーがどんぴしゃやったので、書けて本当に楽しかったです^ ^ コメント、ありがとうございました!v (2019年5月13日 23時) (レス) id: f4059ec95f (このIDを非表示/違反報告)
☆ - 返信コメントありがとうございます!私も、幼なじみ系のせつないけれど最後はハッピーエンドになる物語が大好きです(*´-`) (2019年5月13日 0時) (レス) id: fa9c788b28 (このIDを非表示/違反報告)
chugi(プロフ) - ☆さん» WASABIも読んで頂きありがとうございます!コメントまで、感激でございます^ ^ 当初、亮ちゃんの一方通行な恋で両想いになるか悩みましたー 笑 でも、やっぱハッピーエンドが大好物なのでv ヤスくんサイドは気長にお待ち頂ければありがたいです!(*^ω^*) (2019年5月12日 20時) (レス) id: f4059ec95f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chugi | 作成日時:2018年9月24日 10時