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… ああ、そうや。
蘇る章大とのやり取りの記憶。
「 忠義 、急に起き上がったらあかんよ っ」
俺の体を支えるユイを章大が泣きそうな顔で見ている。
「 … 俺、線路に落ちたんやな?
ちょっと記憶が飛んでてほんま訳わからんねけど … っ、ここはどこなん?」
「ここは〇〇病院 … 私が勤務してるとこや。救急で運ばれて来てほんまびっくりしたわ。でも打撲と軽い脳震盪で済んだなんてほんまラッキーやってんで?そうじゃなかったら入ってきた電車に轢かれてたんやから」
「 そう、なんや … 」
もしかすると、夢かと思ったん。
意識が朦朧とする中、聞こえたのは俺の名前を必死で呼ぶ章大の声。
「… 今何時?どれくらい経ってるん?」
「今は1時やよ … 安田くん。忠義も意識が戻った事やし今日はもう帰ってくれへんかな?
忠義はまだ安静にしとかなあかんからこのまま入院になるって先生もおっしゃってたし、今夜はもう 、」
その言葉に章大がひどく傷ついた顔をしたのがわかった。
傷つけたい訳やない。
傷付かんで欲しい。
だのに、言葉が出てこない。
頭が痛い。
「 …… 忠義 を、お願いします」
俯く章大の表情が見えへん。
あかん 、帰らせたくないっ。
「待って、しょーた っ !」
きっと帰らしたらあかん。
瞬時にわかった。
きっと後悔するって。
「章大とおりたいねん っ、お願いやから帰らんで」
「忠義 … 」
名を呼んだんは、ユイ。
「ユイ、ありがとうな。でも、今は章大と2人っきりにさせて欲しいねん」
「 けど 、病院の規則やから 」
「お願いや 」
この部屋から出て行ってくれへんかな … ?
そう何度も頼むと、渋々とユイは出て行ってくれた。
「 章大、こっち来て 」
顔を上げた章大がやっとベッドサイドに来てくれた。
本来なら、恋人やねんから真っ先に俺のそばに居てくれる筈やのに。
俺のせいで傷付いてる。
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chugi(プロフ) - petecoさん» ありがとうございますーv よくよく考えたら初めての長編倉安だったなぁと気づいて、やっぱり倉安が好きだーと再確認(*´∀`)♪ この2人はいつでも一緒がいいですよね^ ^最後まで読んでいただきありがとうございました! (2021年8月27日 16時) (レス) id: 85c1c2faaf (このIDを非表示/違反報告)
peteco(プロフ) - 完結!おめでとうございます。やっぱり一緒がいいよね。はァ…素敵なお話でした… (2021年8月27日 16時) (レス) id: 971fa62389 (このIDを非表示/違反報告)
chugi(プロフ) - みきさん» やっぱり2人は離れたらダメだから。どんな姿カタチでも一緒にいられたら良いとヤスくん気づけて良かったです^ ^ 実は私もこの2人がもう書けなくて寂しいです。またいつかのいつか書けたら良いなぁって思いつつ、このままキラキラとした2人を大事にしたいと思ったり^ ^ (2021年8月27日 14時) (レス) id: 85c1c2faaf (このIDを非表示/違反報告)
chugi(プロフ) - mayufujiyoutomoさん» ずっと読んでくださってて有難うございます!やっと終わった…最後まで描き上げられて本当良かったです。 (2021年8月27日 14時) (レス) id: 85c1c2faaf (このIDを非表示/違反報告)
chugi(プロフ) - 華南さん» 2人はやっぱり一緒にいなきゃダメなんです^ ^ それこそが2人のperfectworldなんだと、ちゃんと描き切れて本当自己満足なのですが、そう言って貰えてちょー嬉しいです!最後まで読んでくださってありがとうございました! (2021年8月27日 14時) (レス) id: 85c1c2faaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chugi | 作者ホームページ:
作成日時:2020年7月13日 0時