無限大 short 2

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「…… 章ちゃんはモノとちゃうやろ っ？」


それを言うと黙る章ちゃんの手首を掴む。

赤い痕が残ったその手を。


「おかしいやん、こんなん… っなぁ？」


好きやのになんであいつはお前を傷付けるん？


着信は止まらんまま。

それだけであいつの執着が窺える。


でもそんなんもうどうでも良かった。


「 章ちゃんが、好きや … っ」


ずっとずっと前から。

確かめたかったのは、今でも変わらないこの気持ちやった。


「俺のに、なって… ？」


願いを込めながら、顔を逸らしたことで露わになったきれいな首筋に唇を寄せる。


── あいつが痕を残したがるんわかる気がした。

ひどい独占欲。


「 っや や、りょうっ！」


暴れる章ちゃんを押さえ込んで再び口づける。

舌をねじ込めば熱くて気持ちいい。

背けるのを顎を掴んで阻止する。


「ん っ、は … ん ん 」


追えば逃げる舌を絡めて吸う。
漏れる章ちゃんの吐息に体が熱くなる。

けれど、


「 っ …… ！」


突然の痛覚に唇を離す。

血の味がして、噛まれた事に気づいた。

ふと力が抜けて、その隙に章ちゃんが俺を突き飛ばすのを茫然と見ていた。


不思議と次第に冷静になる思考。


「 … しょーちゃ 」

「 頭冷やせ … っ、── 帰る … 」


口元を手の甲で拭って章ちゃんが部屋を出て行く。

目は涙目。ひどく怒っていた。

きっともう許してくれない、そんな気がした。









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