#28 ページ28
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『なに言って、…』
冗談やめてよって、言おうとしたけど。
りょうくんの顔は真剣だった。
すき？
りょうくんが？
私を？
…そんなわけない。
としくんとりょうくん。
二人から好かれるなんて、そんな夢小説的展開が私に起こるわけない。
『…わかんない』
り「ごめん、黙ってるつもりだったんだけど」
り「我慢できなくなっちゃった」
待って待って待って。
頭が混乱して、わからない。
『りょうくんは、ボンキュッボンの金髪美女が好みなんじゃ』
り「なにそれ。どこ情報？」
『…』
り「ごめん」
また謝る。
り「Aととしみつ、どっちも大事だから。俺もどうしていいのかわかんない」
辛そうに笑う。
りょうくんのそんな顔、初めて見た。
りょうくんの口から出たとしみつ、の名前に、勝手に涙が溢れる。
あぁ、もうやだ。
なんでこんなに涙もろいんだろ、私。
り「泣かせたいわけじゃないのになぁ」
りょうくんが、私を抱きしめた。
り「ごめん」
3回目。
りょうくんの腕の中は、おっきくてあったかい。
私の髪をそっと撫でる手が優しい。
でも、違う。
やっぱり違う。
『りょうくん、離して』
私の言葉に、りょうくんはすぐに私から離れた。
鞄を漁って、もらった時のまま袋に入ったピアスを手に取る。
『これは、やっぱり受け取れない』
りょうくんの手に、袋を乗せる。
『りょうくん、ごめん。私、としくんが』
り「わかってる」
私の言葉を遮る。
り「…わかってるよ」
としくんが、だいすき。
それだけは絶対に譲れない。
りょうくんはそれ以上何も言わず、私をタクシーに乗せた。
ごめんね、りょうくん。
タクシーが走り出す。
りょうくんを振ってしまったらしい。
ファンに袋叩きにされそう。
としくん。としくんに会いたい。
としみつの連絡先を開いたものの、やっぱり連絡できなくて。
代わりにミキに電話をかけた。
「もう、なに？こんな時間に」
いつも通りの友達の声に、安心してまた涙が出る。
『うぅ…意味わかんない』
「え、なに？泣いてんの？なに？」
としくんとまた会えてないこと。
りょうくんに好きだと言われたこと。
涙で詰まりながら話す。
「はぁ、りょうくんに説教だわ」
『そんな恐れ多いことしないで…』
「いいから。Aは早くとしみつと仲直りしなよ」
『好きすぎて、連絡できない』
ぐずぐず言ってる私に、ミキは励ましの言葉をたくさん残して電話を切った。
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にじます - 見ててめっちゃキュンキュンしまくりでした！としくんがとにかくカッコよすぎました！ありがとうございます！ (2021年1月29日 2時) (
レス) id: a756719d9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょんみる - またそれかよ。からの、一生推してろ。で胸がぎゅん！ってなりました…泣 完結までお疲れ様でした！ (2020年6月1日 23時) (レス) id: 8b6be204f6 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 素敵すぎました……思わずスクロールして続編探してました笑 (2019年12月15日 3時) (レス) id: de131514da (このIDを非表示/違反報告)
ワイ - あー！終わってしまった、、めっちゃ良い作品でした！ありがとうございました！プロポーズ後の、物語みたいです！ (2019年7月27日 0時) (レス) id: 66a772a320 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっちゅ(プロフ) - ももねさん» ありがとうございます〜！！続編…ネタがたまったら挑戦してみたいです！！ (2019年7月24日 23時) (レス) id: 28ddd181e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゅっちゅ
| 作成日時：2019年7月12日 1時
