俺の彼女はガチ恋勢【東海オンエア】

#26 ページ26

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夜になってもとしみつから連絡は無くて。

次の日になっても無くて。

次の次の日になっても無い。

…なんだか憶えがあるぞ、この感じ。

また連絡とらない耐久戦。



『はぁ、会いたいよぉ』

めちゃくちゃ課金して取ったとしくんぬいぐるみに、話しかけてみる。

『としくん、なんで連絡くれないの？』

もちろん、ぬいぐるみは喋らない。

『今日から五日間も東京でしょ？』

『だから、昨日会おうねって言ってたじゃん』

ぬいぐるみを揺らしてみる。

いい歳してなにやってんだ。

『さみしいよ』

ぬいぐるみになら、言えるのにな。

棚にぬいぐるみを戻す。



携帯の着信音が鳴り響く。

慌てて携帯を開く。

としくんじゃ、なかった。



『…もしもし』

り「大丈夫？」

電話は、りょうくんからだった。

大丈夫じゃない。

いつも、いいタイミングで私の中に現れる。

『なんで？』

り「声、元気ないよ？」

『元気だよ！』

くすりと笑う声が、電話の向こうから聞こえる。

り「ちなみにとしみつは、全然元気じゃなかったよ」

『え？としくんが？』

り「うん。黙り込むわ、突然キレるわでもう大変」

『…そっか』



り「としみつ、今日から東京でしょ？」

『うん』

り「寂しい？」

『…うん』

り「じゃあ、飲みいこっか」

『…うん？』

当然のように言われて、戸惑う。

そこらへんの男に誘われたら断るけど。

りょうくんはイタリア人だから、飲みに行くのなんて挨拶程度のことなのかもしれない。

暇だしいいでしょ？って押されて、了承してしまった。




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