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と「俺、お前のことめちゃくちゃ好き」
『…私も』
と「でも、俺、女の気持ちとかわからんし、りょうみたいに優しい言葉もかけてやれんし」
いいんだよ。
それでも、いっぱい愛感じてる。
十分幸せなんだよ。
と「上手く言えん」
と「ごめん、…今日は帰るわ」
私の顔を見ないまま、背を向ける。
待って。
私もめちゃくちゃ好き。
多分、私の方がいっぱい好き。
構って、会いに来て、助けて、側にいて、とか。
希望を言い始めたらきっと止まらない。
いつか捨てられるのが怖くて、何も言えない。
多分、今、私が何も言わないからとしくんは怒ってる。
それは分かってるのに、やっぱり何も言えない。
としみつが部屋を出ていくのを、黙って見送った。
あー、どうしてこうなっちゃうんだろ。
しばらくとしみつが出て行ったドアをぼーっと見つめてて。
シャワー浴びよ、って部屋を振り返った。
ソファに、小さな箱が落ちていた。
としくん、忘れ物してる。
としみつがよく身に着けているブランドの箱。
中を確認しようと、そっと開く。
お店のロゴが入ったメッセージカードに、としくんの字で。
「おそろい」
そう一言だけ書かれてた。
あ、泣いちゃう。
不器用なくせに、こういうとこだけかっこつけるもん。
『…ちょーかわいい』
丁寧に箱にしまわれていたネックレスを手に取る。
ほんとだったら、としくんの目の前で開けて。
ドヤ顔するとしくんに、いっぱいありがとうして。
どう?って聞いて、似合うやんって笑うとしくん見て私も笑って。
そうなるはずだった、きっと。
一人で、ネックレスを首にかける。
好きすぎて、うまくいかない。
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にじます - 見ててめっちゃキュンキュンしまくりでした!としくんがとにかくカッコよすぎました!ありがとうございます! (2021年1月29日 2時) (レス) id: a756719d9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょんみる - またそれかよ。からの、一生推してろ。で胸がぎゅん!ってなりました…泣 完結までお疲れ様でした! (2020年6月1日 23時) (レス) id: 8b6be204f6 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 素敵すぎました……思わずスクロールして続編探してました笑 (2019年12月15日 3時) (レス) id: de131514da (このIDを非表示/違反報告)
ワイ - あー!終わってしまった、、めっちゃ良い作品でした!ありがとうございました!プロポーズ後の、物語みたいです! (2019年7月27日 0時) (レス) id: 66a772a320 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっちゅ(プロフ) - ももねさん» ありがとうございます〜!!続編…ネタがたまったら挑戦してみたいです!! (2019年7月24日 23時) (レス) id: 28ddd181e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅっちゅ | 作成日時:2019年7月12日 1時