俺の彼女はガチ恋勢【東海オンエア】

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『あぁ、推しが尊い』



「でたよ」

「いいって。としみつの話は」

『なんで〜聞いてよ〜』



26歳。推しと同じ歳。

いい歳こいてYouTuberにどハマりしてる私は、友達に軽くバカにされている。

この状況は、数ヶ月前とまったく変わらない。



変わったことと言えば。

「でもさぁ、まさかほんとに付き合うとはね」

「実際うちらのおかげじゃん」

『私もいまだに信じられない』

推しが彼氏になった、ってこと。



いつもの居酒屋で、相変わらずナナとミキとぐだぐだ飲んでいる。

「付き合って、どんぐらい経つっけ」

『んー、来週で半年かな？』

ナナに返事しながら、画面の中の推しを観る。

今日も爆イケ。

グッドボタンをさっと押す。

「すごいよ。半年も経ってその熱量」

ミキが呆れた顔で私を見る。



推しの動画を真剣に見ていたら、画面が急に切り替わった。

画面に、としみつ、の文字。

『わぁぁ、推しから電話だ』

「彼氏って言えよ」

『ごめんちょっと彼氏と電話するわ』

すぐに電話に出る。



『もしもし？』

と「俺」

電話だといつもより少し低い声。

心臓がきゅっとなる。

声だけでかっこいい。

なにこの破壊力。




『仕事終わった？』

と「うん。今から帰る」

『今から？泊まってこないの？』

としくんは今日、仕事で東京に行っていたはず。

と「A明日休みだら？」

『え、うん。休みだよ』

と「…今日、会える？」

『うん』

と「じゃあ、泊まらん。帰る」

『わかった。気をつけてね』



後でな、って声を聞いて、電話を切る。

『…』

へへへ。

頬が緩む。

「なんとかして、その顔」

『会いたいから、東京に泊まらずに帰ってくるんだって〜』

「わかったって」

「はぁ、いいなぁ」

「A見てると彼氏欲しくなるわ」

幸せすぎて怖い、とはこの事か。







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