ガチ恋勢でもいいですか【東海オンエア】

#41 ページ41

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今思えば、一目惚れだったのかもしれん。




ファンに手出すなんて、なにも考えてない馬鹿のやることだって思ってた。

知名度利用して、しょーもな、って。




『ほんとかっこいいね、としくん』

無邪気に笑うお前。

会うたびにどんどんハマってく。

可愛くて、可愛くて。

手出すとかのレベル超えて。

俺のものにしたいって思った。




だめだ、これ以上会ってたら、本気になっちゃう。

そう思って、会うのをやめた。

会うのをやめてみて気づいた。

…俺、とっくの昔に本気になってたわ。

会いたくて、会いたくて、何も手につかん。




やっと会えたと思ったら、他の男に持ち帰られてるし。

俺は所詮、推しで。

恋愛対象じゃねーんだなって思い知らされた。




それでもやっぱり諦めきれなくて。

また会えた。

もう二度と離したくなくなった。

好きだ。





『としくん？』



はっと横を見ると、可愛い顔がこっちを見てた。

今までのことを思い返してたら、ぼーっとしていた。



と「ごめん、ぼーっとしてた」

『うん、ぼーっとしてたね』

と「見てた？」

『うん。心の中でスクショしまくってた』

また意味わからんこと言っとる。

そういうところも、好きなんだよなぁ。

と「なんだそれ」

『横顔が爆イケだったもん』

と「心の中じゃなくて、普通に撮ればいいやん」

『え、いいの？』

本当に写真を撮りだす。

ほんと、馬鹿だな。

Aの手から携帯を取り上げて、抱きしめた。



と「ずっと、俺だけ見てろよ」

やっと俺のものになった、可愛いお前。

『…うん』

そっとキスをした。






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