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新幹線が発車する10分前。
息を切らせて、としみつが走ってきた。
と「よかった、間に合った」
『ごめんね、急がせて』
と「余裕」
さっきまで舞台でキラキラしてた人が、私のために汗をかいている。
なんだか現実味がない。
新幹線に乗る。
と「どうだった?イベント」
『最高だったよ!としくん超おもしろかった』
と「まじ?どこが?」
褒めると嬉しそうなとしみつに、事細かに感想を伝える。
私の話を笑顔で聞いていたとしみつが、うとうとしだした。
疲れてるよね。
と「あー、悪い、眠ぃ…」
ごにょごにょ言いながら、寝ちゃった。
私の肩に、頭を乗せて。
かわいい。
私の肩ですーすー眠るとしみつを起こしたくなくて、身動きとれないまま2時間弱、地元へと帰った。
『としくん。としくーん』
と「…ん」
『もうすぐ着くよ』
寝ぼけながら、私の顔を見上げる。
と「わ。Aだ」
ぼんやりしてた目が、ぱちっと開く。
『寝ちゃってたね』
と「ごめん」
『大丈夫。疲れてるでしょ』
一緒に新幹線を降りる。
電車に乗り換えて、20分。
地元の駅に着いた。
改札を抜けて、駅を出る。
もうすぐ0時。
これからどうするんだろう。
としみつをちらっと見る。
ちょうどとしみつも私を見て、ぱちっと目が合う。
『…どうする?』
としみつが、私の顔を見ないで言う。
と「俺んち、来る?」
お、俺んち?
待って、それは。
いきなりすぎて心の準備が。
焦る私を見て、としみつも慌てて言う。
と「あ、そーいうのじゃなくて。ゆっくり話してーなって」
『あ、うん。いいよ』
他に行く場所も思いつかないし、素直に頷く。
タクシーに乗って、としみつの家に向かう。
ファンに家バラしちゃって大丈夫なんだろうか。
私がメンヘラだったら、ストーカーしてるよ?
緊張のあまり、意味わかんないことばっか考えてしまう。
としみつは、窓の外を見てなにも喋らない。
タクシーを降りた。
と「こっち」
部屋のドアを開けて、私を招き入れる。
綺麗なおうち。
としみつに促され、ソファに座る。
わぁ、個チャンで見たことあるソファだ。
心の中でめちゃくちゃ感動する。
としみつが、荷物を片付けながら私に声をかけた。
と「悪い、バカ汗かいたから、シャワー浴びてきていい?」
『あ、うん。どうぞ』
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こは(プロフ) - 胸が…ぎゅーーーってなった……すきです…ありがとうございました…(?) (2020年4月23日 12時) (レス) id: 78e7bcbdad (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - う、うわぁ、ありがとうございます、ちゅっちゅさんの文才ありすぎ羨ましいです、、、頑張ります泣 (2019年7月19日 8時) (レス) id: f2a0ee3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっちゅ(プロフ) - ぴさん» ぴさんの見てます!(笑)がんばってください(笑)ありがとうございます!! (2019年7月19日 1時) (レス) id: 28ddd181e2 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 何回読んでもキュンキュンさせられます! (2019年7月13日 1時) (レス) id: af508cf9f8 (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - キュンキュンが止まらない作品でした!ありがとうございます!また新たな作品も楽しみにしております! (2019年7月12日 7時) (レス) id: 08df1f4a97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅっちゅ | 作成日時:2019年6月12日 1時