ガチ恋勢でもいいですか【東海オンエア】

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「おもしろそうだし連絡してみる？」

『いやまって無理、緊張する』

「好きなのはとしみつでしょ」

『としみつ寄りの箱推しってやつだから』

「業界用語出さんで」



おもしろがってるだけのミキが、LINEで電話をかけた。

自分の友達が、大スターに電話をかけている。

状況についていけない。



「あ、でた。もしもーし」

り「もしもし？」



『はぁぁぁぁ！！りょうくんの声！！』

スピーカーで話している電話に入らないよう、声にならない声で叫ぶ。



「わかるー？昔バイト一緒だった…」

り「わかるよ、ミキちゃんでしょ？久しぶり」

「え、わかるの？すご」



すご。さすがのイタリア人っぷりに感動する。



「なんか、YouTuber？やってるんだって？」

り「うん。観てない？」

「ごめん、観てない」

り「ははっ」

「でも、なんか友達がめちゃくちゃファンでさ。繋げてあげたくって」

り「あー…そういうのは断るようにしてるんだよね。ごめんね」

ですよね。

無理って分かってたけどちょっと落ち込む。



「だよね。ごめんごめん」

り「ちなみに、お友達は誰推しなの？」

「えーっと…としみつ？」

り「なるほどね。紹介してほしいって感じだった？」

「いや、友達は何も言ってないけど、勝手に私が電話した。合コンとかしたいなって思って」

り「合コン？あー…」

りょうくんが少し黙る。

り「合コンならいいかも。しよっか」

「え、まじで？」

り「合コン流行ってるから。俺ら」



あれよあれよと言う間に合コンの話が進み、私たち三人と東海オンエアの三人で開催されることになった。

え、待って。

緊張しすぎる。

『誰が来るのか聞いて…』

ミキに耳打ちする。

「そっちって、誰が来るの？」

り「俺と、としみつと、うーん…まぁ、てつやかな？」

ひぇぇぇ。

あっさり日にちも決まり、どうやら本当に開催されるらしい。



イベントで遠くから見るだけで、胸が苦しいのに。

目の前で会って話せるなんて。

いくら課金したらいいの？

これは夢…？

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