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ドアを開けて、広い控え室に戻る。
し「ちゅーした?ちゅーした?」
と「してねえよ!」
て「しろよ!」
と「バカお前、まだAいるんだぞ!」
三人がギャーギャー言ってるのを無視して、りょうくんが私に近づいて言った。
り「Aちゃん、俺メイク終わってるから、外まで送ってくよ」
『いいの?ありがとう』
としみつと目が合って、小さく手を振る。
ちょっと笑って、目を逸らして、手を振り返してくれた。
頰が緩む。
りょうくんの隣を歩きながら、にやけた顔を元に戻そうと頑張る。
り「ごめんね、としみつ意味わかんないでしょ」
そんなことないよ、と言おうとして。
いや、たしかに意味わかんないわ。
『うん』
り「としみつなりに、色々がんばってるんだけどね。バカだからなぁ」
り「でも、Aちゃんのこと適当に扱ってるってことはないから。ちゃんと向き合ってやってよ」
『ありがとう、りょうくん』
話してるうちに、外に出た。
り「じゃあ、楽しんでね」
『ありがとう。りょうくんも頑張ってね!』
り「ステージ、としみつのことばっか見てないで、たまには俺らのことも見てね?」
『大丈夫!としみつ寄りの箱推し、だから!みんな大好きだよ!』
り「はは。ありがとう」
りょうくんが、長い手を私の頭にぽんと乗せる。
り「としみつにそれ、言わない方がいいよ。あいつヤキモチ妬くから」
『それって?』
り「みんな大好き、って」
りょうくんはにっこり笑って、そう言い残して戻って行った。
としみつが、私にヤキモチ?
にやけた顔が元に戻らないまま、物販の列へと向かった。
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こは(プロフ) - 胸が…ぎゅーーーってなった……すきです…ありがとうございました…(?) (2020年4月23日 12時) (レス) id: 78e7bcbdad (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - う、うわぁ、ありがとうございます、ちゅっちゅさんの文才ありすぎ羨ましいです、、、頑張ります泣 (2019年7月19日 8時) (レス) id: f2a0ee3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっちゅ(プロフ) - ぴさん» ぴさんの見てます!(笑)がんばってください(笑)ありがとうございます!! (2019年7月19日 1時) (レス) id: 28ddd181e2 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 何回読んでもキュンキュンさせられます! (2019年7月13日 1時) (レス) id: af508cf9f8 (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - キュンキュンが止まらない作品でした!ありがとうございます!また新たな作品も楽しみにしております! (2019年7月12日 7時) (レス) id: 08df1f4a97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅっちゅ | 作成日時:2019年6月12日 1時