ガチ恋勢でもいいですか【東海オンエア】

#27 ページ27

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たくさんの人が忙しそうに行き交う廊下を、としみつは私の手を引いたまま何も言わずにずんずん進む。

すごい見られるんだけど。

『としくん。ねぇ、としくん！』

めちゃくちゃ早足で歩いていたとしみつが、足を止めた。

私の方を振り向く。

『私、ここにいて大丈夫なの？』

と「…大丈夫じゃない」

『じゃあ、』

と「でも、これしか方法が思いつかんかった」

ちょうどとしみつが止まった場所の、ドアを開ける。

ドアには、東海オンエア様控え室 の文字。



手を引かれ、控え室に入る。

部屋にいた全員の視線が、一斉に私に向く。

わぁ、メンバー全員集合。

てつやが驚いた顔で私を指差す。

て「え！Aちゃんじゃん」

いたたまれなくて、下を向く。



ゆ「あぁ、この子がAちゃん？」

虫「だめじゃんとしみつ。ファン楽屋に呼んじゃ」

し「女連れ込むとか、大御所かよ」

と「うるせえ」

き、気まずい。

『あのやっぱり私、帰…』

としみつが私のせいでメンバーに責められてるのが嫌で、顔を上げる。

目に飛び込んできたメンバーの顔は、責める言葉とは裏腹に、にやついていた。

え。

り「大丈夫だよ、Aちゃん」

にっこにこのりょうくんが言った。

『でも、』

と「いいから。こっち」

としみつに手を引かれ、部屋の奥へと進む。



部屋の奥にもうひとつドアがあった。

としみつがドアを開ける。

と「ここ。入って」

衣装部屋？着替える用の部屋かな。

メンバーがいた控え室よりだいぶ狭い部屋。

としみつに促され、中に入る。

「ひゅーひゅー」

と「黙れぶん殴るぞ！」

メンバーに謎の冷やかしを受けながら、としみつも部屋に入った。





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