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居酒屋の開店と同時に店に行き、混んできた頃にかっこよく帰るってスタイルを、Aの家が分かってから変更した。
閉店1時間前ぐらいに店に行って、飲みながらAが上がるのを待つ。
仕事上がりのAを、歩いてAの家まで送り届ける。
夜道は危ないからな。うんうん。
そんな日々を繰り返していた。
『てっちゃんさぁ』
て「ん?」
『送ってくれるのはありがたいけど、他の女のとこも行っていいんだよ?』
いつもそうやって、さらっと諦めさせようとしてくる。
そういうこと言われるたびに、ちょっと傷ついちゃう。
て「いないよ、他の女」
『いっぱいいるでしょ』
俺らの動画、Aには見られてないと思い込んでたけど。
もうしっかり見られていることが分かってしまった。
赤裸々な俺の性事情もばれてるってことだ。
なんであんなことやこんな事喋っちゃったんだ。
サブチャンの過去の俺を、猛烈に恨む。
て「まじで、Aと出会ってから女とヤってない」
『絶対に嘘』
て「ねぇ、ほんとなんだって。まじ」
『てっちゃんの嘘つき〜』
本当だ。
本気で好きな女ができたら、女遊びはやめるって決めてた。
まず、全然他の女に興味が湧かなくなった。
どの子と比べても、Aがいい。
話してると、あっというまにAの家に着いてしまう。
あー、今日も着いちゃった。
家が近すぎるんだよ。
ずっと一緒にいたい。
名残惜しい俺の気持ちはつゆ知らず、Aは今日もあっさり家に入ってしまう。
『ありがとてっちゃん。気をつけてね』
て「おう。おやすみ」
『おやすみ』
笑顔で俺に手を振り、ドアが閉まる。
同じ市内で一人暮らしする意味がわかんないって、実家に住んでるA。
そう言ってたけど、本当は虫眼鏡のお隣さんな家から離れられないのかな、なんて勝手に想像する。
まぁ、虫眼鏡はとっくに隣の実家を出て、彼女と同棲中だけど。
片思いって、つらいわ。
名残惜しくて、閉まったドアをぼーっと眺める。
虫「てつや?」
聞き覚えのある声に、振り返った。
て「え、虫さんじゃん。なにしてんのこんな所で」
虫「それ僕のセリフなんだけど。僕は普通に実家に用事があっただけ」
確かに。なにしてんの、は俺だ。
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ちゅっちゅ(プロフ) - フラワーさん» てっちゃんらしさ、出てたでしょうか、、よかったです、、!いつもありがとうございますがんばります!! (2019年7月7日 23時) (レス) id: 28ddd181e2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっちゅ(プロフ) - なぁさん» 虫さん自信なかったのでそう言っていただけてとても嬉しいですありがとうございます、、!!次回作ちまちま更新していきますのでよかったら見てやってください!! (2019年7月7日 23時) (レス) id: 28ddd181e2 (このIDを非表示/違反報告)
フラワー(プロフ) - 完結本当にお疲れさまでした。リダらしいというかありえる感じがよかったです。他の作品も引き続き楽しませていただきます。頑張って下さい。 (2019年7月7日 21時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - 更新お疲れ様でした!虫さんと主人公の関係がとても好きでした…ゲロ甘エンド!てっちゃんらしいデレデレでとても素敵でした!もし次回作があれば、そちらも読ませていただきます! (2019年7月7日 20時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっちゅ(プロフ) - フラワーさん» コメントありがとうございます!とても励みになります〜!!そろそろクライマックスですがんばります! (2019年6月21日 15時) (レス) id: 28ddd181e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅっちゅ | 作成日時:2019年4月14日 2時