ペチカな君と 【東海オンエア】

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@てつや



こんなこと言ったら、最低とか調子乗ってるとか言われると思うけど。

女遊びが楽しい。

そして俺結構モテる。

クラブに行けば、女がきゃーきゃー寄ってくる。



そんなわけで、今夜も俺はクラブ遊びをしていた。

二階のVIP席からフロアを見渡す。

て「愚民共が騒いどるわ」

と「それはさすがに調子乗りすぎ」

お前も調子乗ってんだろ。

童貞キャラはどこへやら、女と酒を飲むとしみつをちらりと見る。



て「はーあ、俺もそろそろ女捕まえてこよっと」

と「お前、あんまやりすぎるとそろそろ刺されるぞ」

としみつの言葉を背にして、若者たちが踊るフロアへ降りる。



バーカウンターで酒を注文しながら、周りをぐるりと見渡す。

目が合った派手な女が近づいてくる。

「え、てつやじゃん！やばー！」

て「俺のこと知ってんの？」

しらじらしく聞く。

「知ってる知ってる！超見てる動画！」

こっちで飲もうよって掴まれた腕に、そのまま着いていく。

俺の手を引く女が、背の高い椅子に座る友達らしい子に声をかけた。

「ねえA！東海オンエアのてつやいたんだけど！すごくない？！」

その声に、飲んでたグラスを置いて振り向いた。

時が止まった気がした。

ばかくそ綺麗やん。

え、まじかよ。

めちゃくちゃ整った綺麗な女。

俺、ロリ顔が好みなんだけど。

好みじゃないはずなのに、これはやばい。



綺麗に口紅で縁取られた唇から、小さな声で。

『…誰？』

知らんかー。

心の中でがっくり肩を落とす。

俺がモテるのは、俺が有名だからだ。

そんなんわかっとる。

「うそでしょ知らないの？」

『うん』

「ごめんね、この子そういうの疎くてさぁー」

返事をしようと口を開いたら、俺のこと知ってる方の女が他のやつに声をかけられた。

「あ、ごめん知り合いだ！すぐ戻ってくるからどっかいかないでねてつや！！」

言い残して去っていった。



ふたりきり。ラッキーやん。

て「名前、なんていうの」

『A』

俺の顔を見もしないで答える。

これは脈ねえなぁ。

けどなんとなく諦められなくて、Aの横に座る。

座った俺を、少し驚いたように見た。

『ほんとにどっか行かないんだ』

さっきの女がどっか行かないでねって言ったのを、守ってると思ったらしい。

て「あー、いや、Aと喋りたくて」

『…他当たったら？』

て「なにそれ」

『見たらわかるじゃん。ヤれないよあたし』



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