ペチカな君と 【東海オンエア】

#28 ページ28

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落ち込みながら寝て、次の日。

電話の音で目が覚めた。

携帯を見ると、女の名前。

て「もしもぉし…」

「あ、てつや？寝てたの？もう夕方だよ？」

て「んー、寝すぎた…」

会話しながら、女の顔を思い出そうと記憶を探る。

「ねぇ、今日てつやんち遊びに行っていい？」

思い出した、最近会ってない女だ。

よく会っていた女たちには、好きな子できた！って会うのを丁重にお断りしていた。

て「あー、俺、」

「ていうかもうすぐ着くから！エントランス開けてね！」

好きな子いるから、と断る隙を与えられず、電話が切れた。



全然乗り気にならん。

ベッドに横たわったまま、寝起きの頭で考える。

Aに会いたい。

あぁ、でも嫌われてるんだったわ。

目も合わせてくれんし、名前も呼んでくれなくなってしまった。

もうだめなのかや。



ピンポーン。チャイムが鳴る。

インターホンを覗くと、女の顔。

まぁいっか。

なんだか考えるのに疲れてしまって、女を家に迎え入れた。



「久しぶりじゃんてつや〜」

て「全然連絡くれんやん」

「仕事が忙しくてさぁ」

全然可愛いし、彼女にしてとか面倒なことも言わない。

こうやって、ゆるく女遊びしてる方が楽なのになぁ。

当たり前のように俺の隣にぴったりと座る女。

喋りながら、俺の顔を至近距離で見上げる。

俺は、キスしようと顔を近づけた。



「…てつや？」

て「だめだ。ごめん」

女から体を離す。

馬鹿みたいだ。

Aは彼女でもないし、俺がこんなことしてたってなんとも思わないだろうけど。

A以外の女と、もうそういうことできねえ。

Aがいい。



て「ごめん。俺、好きな子できた」

「なんだーそうなの？早く言ってよ」

て「…ごめん」

女が、俯く俺を見て笑う。

「やりちん男が本気になった女かぁ。ちょっと羨ましーな」

女が立ち上がった。

「いきなり来てごめんね。じゃあ、帰るよ」

て「下まで送る」

なんだか申し訳なくて、一緒にエレベーターに乗った。

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